2026年6月26日(金)

WEDGE REPORT

2026年6月26日

「午後4時が約束の時間です――準備を整えてください」

 混迷したイランを始めとする中東情勢に国際社会の関心が集まる一方、停戦発効から8カ月余りが経過したパレスチナ自治区ガザ地区では、和平計画の「第2段階」交渉が完全に行き詰まり、現地の状況は完全に膠着状態が続いている。まもなく夏が訪れ、テントでの避難暮らしにおける衛生状況も一段と悪化する中、ガザ内部から現状打破を求めるガザ市民らによる自発的な動きが、数週間前からSNS上などで表面化している。

 ガザ市民らから沸き上がったその動きは「6月26日革命」と名付けられ、「より良い生活と前途ある未来のために、自らの運命を決定する市民の権利」をスローガンとして、長期化する人道危機と困窮に耐えかねた住民に対し、街頭に出て意思表示をするよう促している。抗議デモは、2026年6月26日の「エルサレム時間午後4時」に設定され、ソーシャルメディア上で拡散されている公式ページには、現場の緊迫感を伝える言葉が次々に投稿されている。

「2026年6月26日、占領下のエルサレム時間午後4時が私たちの約束の時間です。皆さん、準備を整えてください。拡散をお願いします 集会の場所は準備ができており、適切なタイミングで発表します。#6月26日革命」

ガザで家族を失いながらも呼びかける抗議デモの中心人物
身内への殺害予告で一度は辞退するも民衆の意志で復帰

 この運動を最初に呼びかけ、主導した中心人物は、ジャーナリストであり活動家のアブドゥル・ハミド・アブドゥル・アティ氏だ。アティ氏は、2023年10月7日以降の戦争で、ガザ北部への爆撃によって母親や兄妹などを亡くした。自身はヌセイラトの瓦礫から3人の幼い娘たちを連れて逃れ、ガザ地区内で何度も避難を繰り返した末、現在はエジプトのカイロで暮らしている。彼は、何万人ものフォロワーに向けたメッセージの中で次のように述べている。

「この運動は誰かに対抗するためのものではない。公共の利益のためであり、ガザの人々に重くのしかかる現実から、救えるものを救うためのものである。私たちの目的は、人々に援助の手を差し伸べ、この過酷な苦境からの出口を探すことである。意見の違いが脅迫を正当化することにはならず、団結こそがすべての人を守るための道である」

 さらに、ガザの多くの住民がハマスを支持していない事実を指摘し、破壊をもたらした責任の一端を担っている「無謀な賭け」に及んだ組織は、権力を放棄すべきだと主張している。

 ハマス側はこの動きに対して過敏に反応している。活動家らに対して「無政府状態を煽ろうとする裏切り者であり、イスラエルの協力者である」として反撃している。こうしたハマスからの脅しを受けて、アティ氏は一時、抗議キャンペーンからの辞退を発表するに至った。ガザ内部に残る彼の家族に対して殺害予告が出されたためだという。

 しかし、その後にアティ氏は決定を覆し、彼の辞退を拒否した民衆の意志に応えて復帰を公表、「私たちは人々の夢のために続ける。威嚇が結果をもたらすことはない。私には人々に奉仕すること以外の目的はない」と表明し、活動を再び継続している。


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