2026年6月26日(金)

WEDGE REPORT

2026年6月26日

「抵抗運動への裏切り」と激しく糾弾するハマス支持派と
テント生活の屈辱に耐えかねるガザ市民

 さらに、この抗議デモの呼びかけは、パレスチナ内部でも激しい論争を引き起こしている。ハマス支持者らを中心に、デモ抗議への参加表明者らに対して、「抵抗運動への裏切りであり、シオニスト組織(イスラエル)との共謀である。スパイ行為だ!」などと非難する声も湧き上がっている。

 ハマス系メディアなどは、この運動を「パレスチナの抵抗運動や、多くの犠牲を出したガザ住民への裏切りである」と激しく糾弾、抗議デモに関わるパレスチナ人らを海外から現地を混乱させる「裏切り者」と描写し、運動自体が内部攪乱の陰謀であるなどと主張している。ヨルダン川西岸地区に拠点を置く一部のジャーナリストは、SNS上で「私は、デモ行進に出る者は誰であれ殺害することを支持する。なぜなら彼らは占領軍と協力しているからだ」と書き込み、抗議活動を行う者への暴力を公然と肯定した。

 さらに、ハマス上層部も強い不快感を露わにしている。ハマスの報道担当者であるハゼム・カセム氏は声明の中で次のように述べ、公式に抗議デモへの動きを強く牽制した。「愚かな敵の約束を当てにして、私たちの偉大な運動の失脚を急いでいる者たちがいる。彼らは皆、長い間待つことになるだろう。そして、自らの民により深く根ざし、より存在感を増した運動に驚かされることになるだろう」。

 これに対し、現地で未だ避難生活を送るガザ市民らからは、抗議に出る者を裏切り者扱いする言説に強い反論が上がっている。3人の子どもを抱えてテント暮らしを続ける男性はこう胸中を吐露する。

「テントで暮らし、戦争のあらゆる惨状を味わってきたガザの人々の中に、内通者やスパイなど存在しない。参加を決めた者は、スパイなどではない。このような屈辱的な生活にもはや耐えられなくなった被災者たちなのだ。自分たちには関係のないハマスとイスラエルの政治的紛争の代償をこれ以上払い続けるのは不当であることを今、世界に伝えようとしているだけなのだ」


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