2026年6月26日(金)

WEDGE REPORT

2026年6月26日

トランプ和平案第2段階の膠着
ガザ市民からは「ハマスは時間稼ぎをしている」との声も

 ガザ地区の住民の間で不満と怒りが高まり続けている背景には、政治的な空白と生活環境の悪化がある。直接の要因は、ドナルド・トランプ大統領が2025年9月末に発表した「ガザ紛争終結のための包括的計画」(20項目の和平案)の「第2段階」の条件について、イスラエルとハマスが未だ合意に達していないことだ。

 この和平案では第2段階において、ハマスが武装解除し、イスラエルがガザ地区から撤退、テクノクラート(実務家)による「ガザ行政国家委員会(NCAG)」が設置され、ガザの復興が始まることになっていた。交渉が停滞する間にも、イスラエルによる攻撃は断続的に継続し、人道支援物資の搬入は当初約束されていた「1日500〜600台のトラック」という水準を大きく下回るレベルで推移している。昨年10月の停戦発効以降もガザ側には多くの死者が出ており、国連が「悲惨」と表現する環境下、数十万人の人々が今なおテントや急ごしらえのシェルターで、乏しい食料や水と共に暮らすことを余儀なくされている。

 さらにここ数週間、イスラエル側は圧力を強めており、5月28日にはベンヤミン・ネタニヤフ首相が、ガザ地区の支配領域を現状からさらに70%に拡大する意向を表明した。停戦合意時のイスラエル軍駐留ラインから段階的に拡大が続き、既に合意を大幅に上回っている。

 こうした中、汎アラブ紙アシャルク・アル=アウサト(Asharq Al-Awsat)などは、カイロの交渉においてハマスを含むパレスチナ諸派が、仲介国を通じて「ガザ地区の武器を、すべての当事者が合意する単一のパレスチナ当局の管理下に置く」という原則に合意したと報じた。段階的なイスラエル軍の撤退と並行して武器を引き渡すという内容だ。

 しかし、イスラエル政府は「すべての武器の引き渡し」という立場を崩しておらず、武装解除と撤退を巡る終わりの見えない対立が交渉を行き詰まらせている。当のガザ市民からも、「ハマスはイスラエルがその案を受け入れるわけがないのをわかっていて、時間稼ぎをしているに過ぎない」との批判が出ている。政治的な駆け引きの狭間で生活の困窮が続く現実に、住民側の憤りも限界に達している。


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