2023年1月30日(月)

WEDGE REPORT

2017年10月9日

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田村明子 (たむら・あきこ)

ジャーナリスト

盛岡市生まれ。1977年米国に単身留学し、1980年から現在までニューヨーク在住。著書に『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)、『知的な英語、好かれる英語』(生活人新書)、『女を上げる英会話』(青春出版社)、『聞き上手の英会話』(KADOKAWA/中経出版)など。翻訳書も多数。フィギュアスケートライターとしても知られており、『挑戦者たち-男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で2018年ミズノスポーツライター賞受賞。

Uberが便利な理由

 でも白状するなら、私自身もUberの利用者である。

 最大の利点は、現金でのやりとりが一切不要なこと。そして出張などで不慣れな土地に行っても、回り道などをされる心配がほとんどないことだ。

 行く先を携帯アプリに打ち込むと、大体の予想料金が知らされ、降車してすぐに通ったルートと実際の金額がメールで送られてくる。チャージは、予め登録してあるクレジットカードに行く。

 本来チップは不要だったが、ドライバーの収入が募集時に約束されていたものより少ないことが問題となり、最近では降車後のメールに「チップを加えますか?」という質問が添えられるようになった。サービスが気に入れば、任意で好きな金額を足す。

 手配時にドライバーの携帯画面に依頼者の名前と行き先が出るので、自分が手配したUberが違うお客をうっかり乗せてしまうということはない。混雑時の流しのタクシーと違って、他の人たちと競う必要が無いのだ。

 料金は時間帯と混み状況にもよるが、一般的にイエローキャブよりも多少割安である。特にUberPoolの乗り合いサービスを選択すると、確実にイエローキャブよりも安い。

 ずさんな経営などいろいろスキャンダルもあったUberだが、人気が衰えないのはやはりこの便利さ、安心なサービスのためだろう。

土地勘のない観光客にもお奨め

 ニューヨークではUberの他にもLyft, Gett, Juno, Viaなどがある。いずれも基本的にアプリとクレジットカード登録を使った、同じようなシステムの配車サービスだ。

 中でもこのところ人気の乗り合い専用のViaは、マンハッタン内ならどれほど遠くても一人5ドルという破格の値段設定をしている。(その代わり目の前まで来てくれるのではなく、ドライバーが指定してきた最寄の角までこちらから行かなくてはならない)

 土地勘のない観光客にとって、イエローキャブに乗るとメーターを睨みながら目的地までいくらぐらいになるのか、回り道をされているのではないか、というような不安はついてまわる。

 そんな人は、来る前にスマートフォンにこうした配車サービスアプリをダウンロードしてくることをお奨めする。ドライバーと会話を交わす必要もなく、発音に自信がなくて行き先を言い間違えたという心配もない。

 筆者もこれまでトロント、モントリオール、パリ、マルセイユでUberを利用したが、一度マルセイユで回り道をされた以外は、割安で便利、快適な体験だった。

襟を正さざるを得ないイエローキャブ

 ニューヨークのシンボルの一つであるイエローキャブが、すっかりその姿を消すことはまずないだろう。

 でもこれまで運転手の態度が悪かったり、観光客と見ると回り道をしたり、場所と時間帯によっては乗車拒否などをするという問題も抱えていたイエローキャブ。もうそのような、胡坐をかいたサービスではやっていけない時代が来た。

 このところイエローキャブもぴかぴかの新車が増えて、支払いもクレジットカードでできるのが当たり前になった。タクシー側もそれなりに努力をしているのである。

 ホテル業界にとってのAirbnbと同じように、タクシー&リムジン協会にとってこのUberのような携帯アプリを利用した配車サービスは、違法ギリギリの線で営業しているアンフェアなライバルたちだ。もちろんこれから様々な問題点も指摘されてくるだろうし、まだまだ改善の余地はある。

 でもこういった時代の流れは、もう誰にも止めることはできないだろう。

  
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