世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年12月1日

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 上記解説記事は、EU内の東西の亀裂につき警告し、早急にその修復を図るべきであると述べています。これは適切な助言です。

 ソ連の崩壊後、旧ソ連邦内の中東欧諸国がNATOとEUに加盟したことは、冷戦での西側の勝利に肉付けをするものでした。

 EUについては、EUに先に加盟していた各国が、中東欧4か国がEUに加盟するだけで満足すると考えたとしても、不思議ではありません。

 その上、ヴィシェグラード・グループ諸国の加盟後、EUがまずギリシャを発端とする債務危機と、それを契機とするユーロ危機に見舞われ、次いで難民危機に遭遇してその対応に追われ、中東欧に関心を払わなかったのは事実です。これらを受けて中東欧諸国が疎外感を抱いたとしてもおかしくありません。

 解説記事はEU内の東西の亀裂には、東西双方に責任があると言っていますが、それは確かにその通りでしょう。

 しかし、今は東西の亀裂の原因を論じる時ではありません。亀裂を緩和し、解消することが何より重要なことです。

 まず、それはEUの統合の維持、推進にとって重要です。南北の格差の縮小のみならず、東西の亀裂も解消する必要があります。

 それとともに、ロシアの干渉に備えることが重要です。ロシアは中欧諸国を再びロシア圏に組み入れることまでは考えていないでしょうが、中欧諸国の不満に付け込みEUを弱体化することは、ロシアの外交の目的の一つと考えられます。

 EU内の東西の融和は、EUの強化のため、南北の融合に劣らず重要なことです。

  
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