実践者・中村龍太が考える「カシコイ副業」

2017年12月29日

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中村龍太 (なかむら・りゅうた)

複業家・ポートフォリオワーカー

1964年広島県生まれ。大学卒業後、1986年に日本電気入社。1997年マイクロソフトに転職し、いくつもの新規事業の立ち上げに従事。2013 年、サイボウズとダンクソフトに同時に転職、複業を開始。さらに、2015 年には NKアグリの提携社員として就農。現在は、サイボウズ、NKアグリ、コラボワークのポートフォリオワーカー。2016年「働き方改革に関する総理と現場との意見交換会」で副業の実態を説明した複業のエバンジェリストとして活躍中。

 話を戻すと、おそらく、その女性もこのような環境で育ってきた人だろう。でも、なんとなく与えられた仕事が、食事にたとえれば、おいしくなく、ワクワクもしない。ところで、「何か好きなことがあるの?」と僕は聞いた。「うーん……」言葉がつまる。食事に例えると好きな食べものがない、よくわからない。食においては、あまり想像できないシチュエーションだ。

ismagilov/iStock

副業が進まない本当の理由

 実は、そんなことを言っている僕もそうだった。マイクロソフトで働いていた2009年、45歳。僕は部下を持つチャネルのマーケティングマネージャーをやっていた。会社からマネージャーの役割をもらっているものの、やりたくないわけでもないが、達成感もなく、超頑張っている自分だけいる。

 あるとき、HR(人事)から、希望者にはキャリアの相談ができるという情報をもらった。さっそく、手を上げ、相談にのってもらう。僕の担当はキャリアコンサルタントの味岡律子さんだ。僕は悩みを彼女に言った……「今の仕事をやっていて、なんとなく不安なんです」と。彼女から、「50歳くらいにどんなことをやっていたいのですか?」と聞かれたとき、「IT企業の育成を支援したい」と答えていた自分がいた。でも、それは、それ以上、それ以下でもなく、キャリアプランとしては、最悪だ。

 彼女のアドバイスは、こうだった。「目指したい人間像に近い人に積極的に会って、もっと具体的にした方がよい」と。なるほど!! 会社の仕事に忙殺され、とにかく自分の部の会社の期待する目標に向かって仕事をこなしていた自分。将来のことを考えていないことはないものの、具体的になっていないことに気づく。さきほどのセミナーに参加した女性とほとんど同じだ。自分では、将来のことを考えていると思っていたが、具体的に行動になっていなければ、異動、転職もない。

 副業が進まない理由……実は会社の制度でも社会のルールでもない、自分の行動だけだ! おいしくない、ワクワクしない食事ばかりであれば、他のものを食べてみる! 本当に好きな“ショク”に出会う一歩! さて、先ほどの女性の他人が立てた「タニモク」……。僕と一緒に登壇をしていた、川端崇文さんの“どろんこファーム”で蓮根収穫体験に参加すると…!

  
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