WEDGE REPORT

2018年4月2日

»著者プロフィール
閉じる

樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

回復の娘の証言に期待

 さて、今回の被害者、スクリパリ元大佐は、ロシアで長年諜報活動に携わっていたが、1995年に英国情報部(MI6)に2重スパイとしてリクルートされた。ロシア人情報機関員に関する情報を流して多額の報酬を得ていたとして2004年、モスクワで逮捕され、国家反逆罪で禁固13年の刑を言い渡された。2010年に米国内で捕まったスパイ団との交換で釈放され、その後、英国に亡命していた。

 英紙によると、大佐の妻は2012年に病死しており、次男(44)は昨年、サンクトペテルブルクで事故死、長男も2年前に不審死しているという。捜査当局はこれら家族の死因に疑念を抱いているというが、一家殺害だとしたら恐ろしい。

 今回、不幸中の幸いは、一緒に毒を盛られた娘のユリアさんの意識が回復したことだろう。治療に当たっている病院は「もはや危機的な状態ではない。容態は安定している」との声明を出した。ユリアさんの言葉から、事件の真相解明に関する何等かの情報がもたらされるのではないかとの期待が高まっている。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る