2024年4月21日(日)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年7月20日

 この論説は、NATO首脳会議の開催を前に、フランスのシンクタンクの顧問が、NATO諸国の結束を求めた書いたものである。
 米国と欧州との間には、トランプ政権になってから幾つかの亀裂が既に生じている。イラン合意からの米国の離脱、鉄鋼・アルミニウムを含むEU加盟諸国からの輸入品への関税の付加等である。

 NATO内では、トランプ大統領がNATO加盟諸国に軍事費の増額を要求している。GDP比2%以上を目標としているが、ドイツ等、目標に到達しない国に対して、トランプ政権の態度は厳しい。

 モワジ氏は上記論説で歴史を振り返りながら、国際情勢に応じてNATO内でも亀裂が生じたことがあると述べ、フランスがド・ゴール政権時代にNATOの軍事組織から脱退したり、イラクへの侵攻で英米等と独仏等は、別の行動を取ったりしたことを挙げた。それでも、NATOは生き残り、同盟は弱体化することは無かったと言い、今回のNATO首脳会議を通しても、大西洋に亀裂が入っても分裂にはならないよう願って書かれた。

 そして、欧州諸国の協力を得て、米国が世界で指導力を発揮することにも期待を示した。米国の指導力に期待する理由として、論考の最後に、中国に対抗するためと書いているのは、興味深い。当コラムでも取り上げた7月10日付のドイツのフィッシャー元外相の『トランプから中国への「贈り物」とは?』とも共通する点があろう。

  
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