2022年12月5日(月)

家電口論

2018年8月26日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

1961年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒、同理工学研究科修了。大手メーカーにて商品開発・企画を担当後、独立。現在、商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。

エナジーGWは、B2Bビジネスを狙う

 HEMSができなかったことをなし遂げた「うちワケ」。このサービスは、売れるのでしょうか? 前述の通り、単独サービスとしては難しいと思います。

 実際、今一番支持されているホームシステムは、玄関(ドアの施錠・解錠、インターホン、セキュリティカメラなど)です。次に来るのが定型アクション(例えば、朝、人は同じパターンで支度し、出かけます。この時に使う家電の動きを定型アクションをいいます。)です。

 そのためでしょうか、エナジーGWは、B2B2C(Business to Business to Consumer)ビジネスを展開するそうですそうです。単独では魅力が少ないですが、今あるホームシステムに付け加えるには、手頃なサービスです。女性で言うと、「器量よしで、料理上手。その上節約術にも長けています。」のようなものです。「節約上手」だけだと面白くないのですが、「その上、節約上手」と言われると、女性(ホームシステム)の魅力が、ぐんと増します。

 このサービスはそんな位置づけです。実際にサービス開始も簡単で、分電盤にセンサーを取り付けるだけで済みます。ホームシステム・サービスをしているところには、絶好の付加価値になると思います。

分電盤にセンサーを取り付けるだけで準備完了

 また、エナジーGW自らエンドユーザーへのサービス提供者にならないのもいいプランだと思います。というのは、家の中の通信環境の問題もありますし、一口でホームシステムと言っても多岐に渡ります。それをまとめ上げるなら、借り手が入る前のワンルーム系の賃貸住宅が一番対応しやすいからです。

IoTもどきのホームシステムと、Wi-Fi接続以外の可能性

 IoTは、データーの相互伝達がマスト。だから「Wi-Fi」とされてきましたが、今述べたように、完全に理想的な形でホームシステムが立ち上がっていないのが現状です。片方伝達なのでIoTもどきと言っても良いかもしれません。しかし、これが売れはじめているのは事実です。

 またIoTは、Wi-Fiでなければ成り立たないのでしょうか? AIスピーカーが示す通り、世界的に主流なのはWi-Fiであることは事実です。しかし、いくつか手はあるように思います。「Low Power Wide Area(省電力広域無線通信技術)」と呼ばれるものがそれです。これは白物家電のように、電気消費が少なく24時間接続しても負担にならないこと。家中の家電に確実につながることを前提として作られた規格です。

 ただ前述の通り、動画など重いデーターを扱う時には、Wi-Fiが便利です。今、ホームシステムは過渡期。サブタイトルに「もどきの」と付けましたが、「こうでなければならない」という決めつけが、最も悪いような気がします。ここはHEMSの様に大上段に振りかぶるのでなく、「うちワケ」のように何に使ってもらっても構いませんとして、デファクトスタンダードを狙うのが正解だと思います。ただし、今の日本がそこまでの発言力があるのかは、不明ですが。

  
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