またしても警察沙汰に
ロンドン市街地のホステルでは施設内部にスペースがなく路上駐車を指示されることが多い。自転車盗難は頻繁に発生するが破壊(vandalism)は想定外であった。 7月13日早朝。ホステルの玄関前の路上の鉄製支柱にロックして夜間駐車しておいた自転車が何者かにより破壊されているのを発見。ブレーキレバー、前方のアルミ製の荷台がバールのようなもので叩き壊されていた。
ホステルのマネージャーに被害状況を説明すると「路上駐車はあくまで貴方の自己責任にて当ホステルは関与しない」と予防線を張る。警察に通報したいと話すと、予想どおり「ホステルの電話は火事・重大犯罪等の緊急事態以外は使用できない規則」とステレオタイプの返答。
近くの電話ボックスから警察に通報して被害状況及び当方の連絡先、メルアドなどを登録。犯行現場はホステルの監視カメラで録画されているので早々にチェックしてはどうかと伝えた。
7月14日夕刻。携帯電話に定型フォームで「貴方様が事件に遭遇されたことに遺憾の意を表します。事件ファイル番号を以下通知します。捜査に進展がありません。犯人に繋がる新たな材料がなければ捜査を終了します」と警察より通知が入った。
警察がホステルの監視カメラ録画を借りに来た様子がない。監視カメラの録画の確認を促すメールを警察に返信。
当該事案は捜査終了
7月15日午後。犯罪管理サービス(Crime Management Service)という部署よりメールで捜査終了の通知が携帯に入電。犯人特定に繋がる有力な手掛かり(leads)が得られないので事件ファイルを閉じる(close the case file)という紋切型(定型フォーム)の通知であった。
具体的に何か捜査したのか不明であり、釈然としない終了宣告だ。ロンドン警視庁(Scotland Yard)も微罪に人手を割く余裕はないのであろうか。
エピローグ“最後の最後は預入手荷物の未着”
7月18日。夕刻羽田空港に到着。五体満足で帰国できたと安堵。しかしターンテーブルが停止しても荷物が出て来ない。係員に確認したら北京での乗り換えをミスしたと。
【教訓】自宅のドアを開けるまで油断は禁物である。
⇒第4回に続く
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