2024年11月25日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年9月18日

 もう一つの問題は、中国が途上国で開発プロジェクトを実施する時、中国から労働者を派遣して工事を実施することである。雇用の面で、対象国は恩恵にあずかれない。その他にも、中国の労働者や他の中国人たちが、治外法権の待遇を受けているという事情があるとのことである。 

 このように、中国の対外支援は、次第に歓迎されなくなりつつあり、曲がり角に立たされているように思える。しかし、中国が対外支援のやり方を反省している兆候はない。また途上国は、問題は認識しつつも、資金に対する需要は大きく、中国の資金なしにはやっていけないことが多い。 

 中国の対外支援は、問題を抱えつつも、今後も、「一帯一路」構想等を通して、続けられるだろう。

 日米両国をはじめ、西側先進諸国は、途上国のニーズを十分に把握し、二国間での支援に加えて、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)などの国際金融機関を通じ、如何に途上国のニーズに、より有効かつ適切に対処できるかを、もっと真剣に検討すべきだろう。

  
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