“素晴らしき乳白色”と絶賛された独自の技法で知られるレオナール・フジタ(藤田嗣治(つぐはる))。その才能を育んだパリ、そして創作の場であるアトリエに焦点を当てた展覧会が開催されている。
これはポーラ美術館が所蔵するフジタ作品に、今年2月新たなコレクションが加わったことから、110点の所蔵作品を一挙に公開しているもので、「たまごを抱く少女」ほかの初出品の作品も含まれる。
戦前・戦後にわたる約60年の創作活動において、パリから日本、ニューヨークと拠点を移し、再びパリへ戻るまで、絵画にとどまらず版画や木工までさまざまな作品を作り続けたフジタ。なかでも終戦直後の日本で作られた、理想の我が家をイメージしたマケット(模型)は、「ラ・フォンテーヌ頌(しょう)」や「室内」など数々の絵画作品に利用されており、フジタのパリへの想いの象徴ともなっている。
レオナール・フジタ(藤田嗣治)「ラ・フォンテーヌ頌」 1949年 油彩・カンヴァス ポーラ美術館所蔵 ©ADAGP,Paris&SPDA,Tokyo,2011
アトリエでのフジタの制作風景を撮影した土門拳の写真や、光学調査結果から、フジタ独自の技法の謎に迫る展示なども見逃せない。
レオナール・フジタ 私のパリ、私のアトリエ
<開催日>開催中~2012年1月15日
<会場>神奈川県箱根町・ポーラ美術館(箱根登山鉄道強羅駅からバス)
<問>0460(84)2111
http://www.polamuseum.or.jp/
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