前向きに読み解く経済の裏側

2018年10月22日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

サラリーマンの専業主婦も、思い切って200万くらい稼ごう

 サラリーマンの専業主婦は、上記のように恵まれているので、130万円以上稼いで特権を放棄するのはもったいないように思われます。しかし、それでも筆者は社会保険への加入をお勧めします。

 サラリーマンの専業主婦がギリギリ130万円の壁を超えて年間18万円ほどの社会保険料(年金保険料、健康保険料等)を支払うと、老後に毎年7000円ほどの厚生年金が受け取れます。65歳から90歳まで25年間受け取れば、概ね元が取れます。それ以上、何歳まで長生きしても小遣い程度ですが年金が受け取れるのです。しかも、将来仮にインフレになっても、原則としてインフレ分だけ年金支給額が増えるのです。これは、老後の生活資金を考える上で重要な安心材料です。
90歳まで生きなかったらもったいないから厚生年金には加入したくない、という読者もいるでしょうが、筆者はそうは思いません。公的年金は保険です。長生きして老後の蓄えが底を突いた時に受け取れる心強い味方です。

 火災保険が火事に遭って困った時に受け取れる心強い味方なのと同じです。「火事にならなかったら保険料を損するから、火災保険に加入しない」という人は少ないでしょう。まして「火事にならなくて損をした」と悲しむ人はいないでしょう。

 それなら、「早死にするともったいないから厚生年金には加入しない」と考えるべきではありませんし、早死にした場合に「厚生年金保険料を損した」と悔しがる必要もありません。「長生きしなかったから、老後の生活費が少なくて済んで良かった」と思いましょう。早死には決して嬉しいことではありませんが、老後の生活資金の事だけを考えれば、大いに助かる要因なのですから。

 なお、社会保険関係は細かい規則が数多くあり、本稿では概要しか示せていませんので、興味がある方は社会保険労務士かファイナンシャル・プランナーにご相談されると良いでしょう。それほど高くない相談料で、得られるものは大きいと思いますよ。

  
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