田部康喜のTV読本

2018年10月31日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

自分を陥れた週刊誌記者に復讐を遂げる

 深夜帯の復讐劇は、主人公が追い詰められて、それをさまざまな方策をとって、逆に敵を社会的に抹殺するという展開をテンポよくみせていく。亜梨沙(山口)には、芸能プロの看板女優の阿久津唯菜(松井玲奈)が協力者である。唯菜は亜梨沙が整形手術をして復讐を図ろうとしていることを知っている。第4話(10月25日)の標的は、週刊星流の記者・巻田健吾(片桐)である。

 巻田は、紗羅が整形して亜梨沙になっているのではないかと疑う。ふたりの写真を比較して、手の甲にある、ほくろの位置が同じであることに気づき、亜梨沙を脅しにかかる。

 「おまえはこれから一生俺の操り人形だ」と。

 そして、整形の件を週刊誌に書かれたくなければ、3日以内にドラマの主演級の俳優のスキャンダルを3本もってくるようにいうのだった。

 ドラマは、ふたつの物語が二重らせんのように絡み合いながら進んでいく。

 亜梨沙が担当している女優の小嶋夏恋(小川紗良)はかつて、TVディレクターにからだの関係を結べば役をもらえる、芸能界でいう「枕営業」をしたことがある過去を、同じ芸能プロに所属する男優に強請られる。

 夏恋がこの男優から強請られているところを録音したうえで、亜梨沙は「これは恐喝です。警察にいいますよ」と。夏恋は男優を許すといって、撮影現場に戻っていく。しかし、亜梨沙は「許してもらってよかったですね。しかし、私は許さないから……」。

 週刊星流の記者の巻田の後をつけて、その行動を写真に撮影した亜梨沙は、彼が愛妻家であることを知る。その写真をみた、協力者の唯菜は巻田の妻が元モデルであり、SNSをみると若い男性にしなだれかかっていて男好きであることを、亜梨沙に教える。

 亜梨沙は、巻田を駐車場ビルの上層階に呼びつける。「ネタは準備できたか?」と迫る巻田に、亜梨沙は駐車場から見下ろす部屋に向けたカメラを覗くようにいう。

 「なんだ売れない男優か。これじゃあネタにならない」という巻田に、「相手を見なさいよ」と亜梨沙。男優は夏恋を脅かした男であり、亜梨沙の仕掛けで抱かれている女は、巻田の妻だった。

 「芸能界の何百人もスキャンダルに落としたあんたの妻が、売れない男優と不倫したとわかったら、あんたはどうなると思う? スキャンダルをさらされる恐怖がわかった」と、亜梨沙はいいながら、写真を「芸能暴露君」というサイトにアップしようとする。巻田は、ついに降伏するのだった。

亜梨沙 「5年前、どうしてあんなうその情報を書いたのよ?」
巻田  「事務所からカネをもらったんだ」
亜梨沙 「カネのために潔白の芸能人を葬ったの!
     一滴残らず、地球から干されて消えて!」

 許しを請う巻田に対して、亜梨沙はいう。

 「たったひとつだけ条件がある。あんたはこれから一生私の操り人形よ」

 今季ドラマは、深夜帯に楽しめる作品が多いように思う。高畑充希主演の「忘却のサチコ」(テレビ東京系、毎週金曜24時12分~)、千葉雄大主演の「プリティが多すぎる」(日テレ系、毎週木曜夜24時59分~)など。

 夜のエンターテインメントビジネスの拡大などを狙う「ナイトタイム・エコノミー」は、テレビ業界でもいえそうである。
 

  
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