2024年12月2日(月)

今月の旅指南

2018年12月21日

 江戸時代後期、数々の傑作を生み出し、19世紀ヨーロッパの芸術家たちにも多大な影響を与えた希代の絵師、葛飾北斎。代表作「冨嶽三十六景」シリーズなどの著名作品や知られざる名作を含む、生涯にわたる全画業を振り返る、大規模な北斎展が開催される。

葛飾北斎 《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》大判 天保初期(1830-34)頃
島根県立美術館蔵(新庄コレクション)
 *展示期間 2/21~3/24 (1/17~2/18は日本浮世絵博物館蔵の作品を展示)

 本展では、北斎の20歳から90歳までの作品を、主に使用した画号によって6期に分けて展観。「勝川春朗(かつかわしゅんろう)」と名乗り役者絵や挿絵本を手掛けていた最初期から、「画狂老人卍」と称し肉筆画に専心した最晩年まで、約70年におよぶ画風の変遷をたどる。

 会場には国内外から約480件の作品が集結。そのなかにはアメリカ・シンシナティ美術館所蔵の肉筆画「向日葵図(ひまわりず)」や、旧津和野藩主家に秘蔵されていた大小暦などの摺物(すりもの)コレクション(全118点を4期に分けて展示)といった初公開作品も多数含まれる。

 世界的に名高い「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」や、全15冊の半紙本に4000点近くの図版を収めた『北斎漫画』、縦150センチ、横240センチにおよぶ最晩年期の大作「弘法大師修法図(こうぼうだいししゅほうず)」、さらに描いたパーツを切り抜いて組み立てる遊び心満点の組上絵(くみあげえ)の作品など、北斎の底知れない画力に改めて魅了されることだろう。

新・北斎展 HOKUSAI UPDATED
 <開催日>2019年1月17日~3月24日 *会期中、展示替えあり
 <開催場所>東京都港区・森アーツセンターギャラリー(東京メトロ日比谷線六本木駅下車)
   <問>☎03-5777-8600
   URL:https://macg.roppongihills.com/jp/
 URL:https://hokusai2019.jp/

*情報は2018年11月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2019年1月号より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 


 



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