2024年12月27日(金)

中島恵の「中国最新トレンド事情」

2019年1月28日

「中国に出境する」とはどういうことなのか

 今回の開通と同時に最も話題となったのは「一地両検」(同じ駅舎内で香港と中国の入境・出境手続きを済ませること)だろう。1国2制度であるはずの香港で、中国に出境するとはどういうことなのか、香港の高度な自治がますます損なわれるのではないか、と民主派を中心に反対デモなどが巻き起こった。その点も、今回の鉄道の旅で、自分の目で確かめてみたいと思ったことのひとつだった。

 さて、私が乗車するのは、朝8時5分に西九龍を出発する列車だ。北京西駅の到着は午後5時1分(正確な乗車時間は8時間56分)。この列車は、現在の時刻表を見る限り、週末も含めて毎日運航している。私が購入したチケットは1等席。それ以外に、ビジネス席と2等席もある。チケット料金は、TRIP.comで入手した場合、最も高いビジネス席が約5万4000円、1等が約2万8000円、2等は約1万7000円だった(日によって多少金額は変動する)。前日に乗車券を発券してもらう際、係員にいえば、窓側席、通路側席など、座席の位置を選ぶことができるようだ。

長距離列車の販売窓口の上にある掲示板。中国の44駅に直通で行ける

 係員によると、当日は混み合う可能性があることと、出入境手続きに時間がかかるため、1時間半前には改札口の前に到着しておいたほうがいいとのこと。ホームページなどには「45分前までに」と書いてあるが、実際、香港の「離港(departures)」前に立つと、掲示板には出発の2時間前には到着しておくべきと明記してあった。やはり、出入境の手続きを伴うので、こうしたところは航空機並みだ(ちなみに、中国は国内の高速鉄道でも改札の締め切りが早いため、チケットをすでに持っていたとしても、少なくとも30分以上前には到着している必要があり、日本の新幹線のような“飛び乗り”はできない仕組みになっている)。

出発前の掲示。説明は香港で使用されている繁体字と英語で書かれている

 当日は係員のアドバイスに従って朝6時20分(出発の1時間45分前)に西九龍駅に到着した。早朝の出発に合わせて、同じ九龍地区のホテルに宿泊していたが、もし、少し離れた香港島に宿泊していたら、かなり早くホテルを出発する必要があるだろう。到着した際、「離港」エリアにはすでに15人ほど並んでいたが、混んでいるというほどではなかった。1月初旬の平日だったからかもしれない。出発の1時間半前の午前6時半には出境に向けて列が動き出した。


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