2024年12月6日(金)

今月の旅指南

2011年10月31日

 “日本のエーゲ海”とも呼ばれる瀬戸内海に面した岡山県瀬戸内市の牛窓町(うしまどちょう)。海を望む風景とアートで知られるこの町の寒風(さぶかぜ)陶芸会館で、新趣向の作品展が開催される。

森陶岳「一石甕」径68.5×高83.5センチ/
花 松永里美

 展示されるのは、会館のある寒風陶芸の里で作陶する地元陶芸家の作品約20点。岡山県重要無形文化財保持者の森陶岳(もりとうがく)や、ニューヨークのメトロポリタン美術館にも作品が収蔵される安倍安人(あべあんじん)など、国内外で活躍する16人の陶芸家の作品が一堂に会する。

 見どころは、作品を単体だけで鑑賞するのではなく、岡山市在住のフローリスト、松永里美がアレンジした花とともに、やきものと花の世界を同時に楽しめる点。また、作品が飾られるのは、近くの寒風古窯跡群から出土した、備前焼のルーツといわれる1300年前の須恵器(すえき)の展示室で、時を超えたやきものの変遷を目の当たりにできる趣向となっている。

 期間中は、森陶岳が古備前の究明のために完成させた全長85メートルの超巨大窯の見学会も開催されるなど、見どころは尽きない。

時を超えて咲く、陶と花
<開催日>2011年11月3日~6日
<会場>岡山県瀬戸内市・寒風陶芸会館(赤穂線邑久駅からタクシー)
<問>0869(34)5680
http://www.sabukaze.com/

◆ 「ひととき」2011年11月号より

 

 

 

     

 
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