Washington Files

2019年3月6日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。近著に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

(4)外交問題委員会(エリオット・エンゲル委員長)

 エンゲル委員長は定例記者会見などを通じ、今後の重点項目として、昨年夏ヘルシンキでプーチン露大統領と二人だけで行ったさしの会談でトランプ大統領は具体的に何を話し合ったかの真相究明、アメリカ外交政策に影響をもたらした疑いが持たれるトランプ氏の諸外国相手のビジネス取引実態解明、トランプ大統領と金正恩北朝鮮労働党委員長との「個人的関係」の背景、サウジアラビア人ジャーナリスト殺害への関与が疑われるサウジ皇太子とトランプ・ファミリーとの密接なつながり全容把握、ジェームズ・マティス国防長官(当時)辞任のきっかけとなった昨年12月の「在シリア軍撤退」という唐突な大統領決定の背景についての徹底追跡調査、などを列挙した。

 また同委員長は、「今後、最優先課題として、トランプ大統領と外国との関わりを集中的に調査するための専門小委員会を早急に立ち上げたい」とその意気込みを語っている。

(5)司法委員会(ジェロルド・ナドラー委員長)

 ナドラー委員長はロシア疑惑については、「近く司法長官に提出されるモラー特別検察官報告書の結果を見た上で、具体的対応を検討したい」としている。

 しかし同時に、「大統領がセッションズ司法長官を解任したいきさつなどについてウィタカー長官代行を早急に喚問し説明を受けるほか、大統領が関与したセックス・スキャンダルもみ消し事件についても、選挙資金規制法違反の観点から調査したい」との考えを明らかにした。

 同委員長はまた今月3日、司法妨害、汚職、権力濫用などの観点から調査するため、ウィーゼルバーグ氏、大統領の長男トランプ・ジュニア氏、娘婿ジャレッド・クシュナー氏らのほかホワイトハウス、財務、国務、司法各省当局者ら80人以上に対し、関係書類、文書、資料などの「現状保存」と、それらの提出を求める公式要請書を発送したことを明らかにした。

とるべき次のステップ

 すでにこれらの委員会では、専属スタッフたちが事務方レベルで毎週3回程度の会合を開き、情報交換を行ってきており、とくにコーエン氏の今回の重要証言を踏まえ、「とるべき次のステップ」について緊密な協議を重ねているといわれる。

 こうしたことから今後、来年11月の大統領選挙に向けて、関連委員会で重要証人を喚問しての公聴会が間断なく続くことは確実であり、そのたびにマスコミで大々的に報道されることになるだけに、再選を目指すトランプ大統領にとっても、“憂鬱な日々”が延々と続くことを覚悟しなければならないだろう。

  
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