前向きに読み解く経済の裏側

2019年3月11日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

経済指標は振れるから一喜一憂するべからず

 1月の景気動向指数が発表され、一致指数が大幅に悪化したことから、基調判断が下方修正されました。「事後的に判定される景気の山が、それ以前の数カ月にあった可能性が高いことを示す」ということですから、要するに拡大を続けてきた景気がすでに方向を変えて後退しはじめている、ということですね。

 もっとも、これは内閣府が機械的に計算した結果に基づいて機械的に出されている判断なので、実際の景気判断とは異なります。実際の景気判断は、様々な事柄を総合的に考慮して専門家の会議で決められるものです。そして、政府高官も景気が拡大を続けているという認識を変えていない模様です。

 筆者が機械的に出された上記の判断に対して感じる違和感の最大の原因は、1月だけ突出して悪い数字となっているけれども、それ以前の数字はそれほど悪くない、ということです。つまり、単月の数字が非常に悪かったことを理由に景気の方向が変わったらしい、と判断しているわけです。

 筆者は長年景気を見てきましたが、経済指標は振れるので、一喜一憂は危険です。景気を見ている「エコノミスト」は、経済指標を数カ月分じっくり眺めて、景気の大きな方向が変化しつつあるのか否かを判断するものです。したがって今回も、2月と3月の数字を見てから判断するべきだと思っています。

景気動向指数は製造業関連のウエイトが高い

 景気動向指数は、鉱工業生産・出荷の関係の数字が重要なウエイトを占めています。サービス業より製造業の方が景気の振れが大きいこと、生産・出荷が増えると運送業等も活発になること、といったことが考慮されているのでしょう。

 しかし、かつて製造業のウエイトが高かった時代はそれで良かったのでしょうが、経済がサービス化してきているので、景気動向指数だけで景気を判断するのは危険かもしれません。サービス業等の動向も併せて考える必要があるでしょう。

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