前向きに読み解く経済の裏側

2019年3月11日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

景気拡大にも慣性の法則あり

 景気は、拡大している時にはそのまま拡大を続ける力が働きます。雇用が増えると給料を受け取った元失業者が消費を増やす、といった好循環が働くわけです。今次局面で筆者が注目しているのは、労働力不足により省力化投資が増えつつあることです。

 中国向けの輸出が減りそうだ、ということで、中国関連企業の設備投資は落ち込むかもしれませんが、省力化投資が全産業への拡がりを見せれば、全体としての設備投資はそれほど落ち込まないかもしれません。

 今ひとつ、今次局面で重要なのは、製造業で仮に失業者が出たとしても、失業者はすぐに次の仕事を見つけられるだろう、ということです。従来の日本経済では、「輸出が減って製造業の雇用が減ると、失業者が消費を減らすので景気が更に悪化する」という悪循環が生じていたのですが、今回はそうした悪循環が見込まれないので、輸出の落ち込みが景気に与える悪影響が限定的だ、ということだと思います。

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