Wedge REPORT

2019年3月12日

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 この母国・日本での開幕2連戦は米メディアの間で「イチローの引退ロードになる」とみられている。マリナーズは大功労者のイチローに華々しい花道を用意しようと日本遠征メンバーに入れるため、オープン戦での調子云々にかかわらずメジャー昇格をあらかじめ決めていた――。米メディア同様、そういう見解を抱いている人は少なくない。

 問題は日本遠征後だ。実際のところ、イチローは日本の開幕2連戦で引退することになるのだろうか。それとも米国へUターン後も奇跡的にメジャーリーガーとしてロースター定着を果たせるのか。

 マリナーズ側は、まだ処遇に悩んでいるようである。現状のイチローは確かに成績だけみると衰えが隠せない。11日の時点で三振も26打席中「7」。かつて動体視力に優れていたイチローにとっては考えられないような酷い数字だ。それでも45歳という年齢でありながらメジャーリーグのスプリングトレーニングで第一線の選手たちとともに同じメニューをこなし、オープン戦でプレーしていることについては関係者に少なからず驚きを与えている。

 イチローはマリナーズ復帰を果たした昨季、5月3日に「スペシャルアシスタントアドバイザー」の契約を結び直し、残りの試合に出場しなかった。そこから1年近く実戦離れが続いていたものの、今春から再びメジャーリーグ復帰を目指している。

 これだけの長期間に渡ってゲームに出場しなければ、普通は試合勘も必然的に失う。ましてや今年10月で46歳を迎える身体だ。常識的に考えれば、どれほど自信があったとしても長いブランクと高齢という2つのデメリットにさいなまれながらメジャーリーガーを相手に実戦出場することなど、まず不可能である。

一緒に戦えていることだけでもミラクル

 ところがイチローは現にそれをやってのけている。オープン戦では2安打を放ち、盗塁まで記録してみせた。右翼守備でも難しい大飛球をフェンス際で好捕し、マウンドに立っていた新チームメートの菊池雄星投手を助けたシーンもあった。マリナーズのスコット・サービス監督ら首脳陣、チームスタッフ、そして選手たちが「一緒に戦えていることだけでもミラクル」と口を揃えているのもうなずける。

 ただメジャーリーグは非常にシビアな世界であり、群雄割拠の競争社会だ。現にこのオープン戦では結果の出ないマリナーズの招待選手たちが次々とマイナー行きを命じられている。その中で成績が一向に上向かないにもかかわらずイチローだけを特別扱いし続けていたら示しはつかない。そういう観点で見ると、イチローに対する猶予はやはり母国凱旋の日本開幕2連戦までということになる。

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