Wedge REPORT

2019年3月12日

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 大半を占めているとは言い難いにせよ、その猶予を少し延ばしてみようかという意見も確かに球団内から出ているようだ。イチロー擁護派のマリナーズ関係者が次のように言う。

 「打撃の数字は伴わないが、イチローは動けている。フィーリングを取り戻し、さらに加齢によるコンディションの衰えをカバーする術も身につけることができれば、メジャーリーガーのプレーを再び見せることができるのではないか。少なくとも彼は現時点でプレーヤーの道を歩む気力を失っていない。それならば我々が道を閉ざすことはしないほうがいいと思う。今までマリナーズは彼によって支えられてきた。だから今度は我々が彼を支える機会だ」

もういい加減にやめるべき

 しかしながら、こうした声が米国内で報じられることはなく、イチローの現役続行に同調する米メディアの記事は皆無に等しい。残念ながら、それが現実なのだ。〝いくらレジェンドであっても、もういい加減にやめるべき〟という論調こそが、海の向こう側で取材を重ねるビートライターたちの総意のようである。

 一方で日本のメディアは対照的にレジェンドの引退カウントダウンに関し、不思議なほど大々的に報じていない。イチローに対する配慮、そして敬意を表してのことなのだろう。

 とはいえ強いて言うならば、むしろこちらのほうが「正解」ではないか。イチローは日本人メディアを以前から選別し、今も基本的にクラブハウスでは2人の担当記者にしか対応しない頑固なスタイルを相変わらず貫いている。

 そうした流れのもとで引退という不利益な記事を掲載すれば、難しい性格の持ち主であるイチローの機嫌を損ねてしまい、なおのこと取材がしにくくなってしまうかもしれない。こうした想像を膨らませるが余り、日本の各メディアはイチローに忖度している背景も実はあるようだ。

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