2024年11月22日(金)

古希バックパッカー海外放浪記

2019年3月24日

エレノアは女性政治運動家の先駆者

その昔、和平祈念大花火大会が開かれたグリーンパークの薔薇園

 エレノアは16歳の頃から秘書としてマルクスを助け、マルクスの最良の助言者(best advisor)となった。エレノアは少女の頃から政治に興味を抱き、終生政治運動家として活動した。同時に翻訳家として『ボバリー夫人』を英訳、女優としてイプセンの『人形の家』に主演するなど多彩に活躍している。

 さらに経済的搾取(economic exploitation)及び階級闘争(class struggle)という視点から男女同権(equal right)を主張。エレノアは労働組合運動にも熱心でガス労働者組合を組織したという。

 メーデーでマルクスの盟友であるエンゲルスと共闘して「労働党が革命ではなく改良をもとめるだけの改革主義者(reformist)に堕している」と労働党批判スピーチをしている。エンゲルスは生涯エレノアの庇護者であり、遺言でエレノアにかなりの資産を遺贈している。

エレノアの突然で予想外の自殺

 エレノアには長年の私生活上のパートナー(内縁関係)である政治運動家の男性がいた。彼がエレノアを裏切り若い女優と極秘結婚したことで、失意のあまり1898年に43歳で服毒自殺を遂げている。

 最先端の政治思想を持った進歩的活動家が異性問題を苦にして自ら命を絶ったということが痛ましい。

⇒第8回につづく

  
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