海外を見て、本当の日本を知ろう 

2019年4月9日

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金武偉 (キム・ムイ)

ミッション・キャピタル代表

日系企業のアジア展開支援をする「Asia Disruptive」及び社会課題解決型投資ファンド「ミッション・キャピタル」でマネージング・パートナーを兼任。1979年生まれ。UCLA、ゴールドマン・サックス証券、JPモルガン証券、ボストン大学ロースクール、サリヴァン・アンド・クロムウェル法律事務所、企業買収ファンドのユニゾン・キャピタル、国内外の複数AI/IoTベンチャー経営を経て現職。

モビリティ革新の驚愕

 しかし、なんといっても東南アジアが国単位ではなく地域全体として経済圏を成しうる最大の理由は交通アクセスの良さだろう。フライト所要時間1~3時間あればたいていの隣国に行けるという距離のみならず、移動手段の価格が安い。

 筆者の今回の出張、シンガポールからジャカルタへの片道チケットで約3800円、クアラルンプールとシンガポールの往復で約1万円だった。この価格帯での「モビリティ」インフラが、ともすれば東海道線のグリーン席に乗るような感覚で人の東南アジア圏内移動を可能にしている。

 「安くて速いモビリティ」は、日本国内でも大変ホットな政策テーマとなっている。「UBERやLyftによる日本タクシー市場のディスラプト(創造的破壊)は許さない。でも既存のタクシーはもう少し安価に、使い勝手を良くする」というのがこれまでの日本政府の結論だ。

 初乗り運賃は安くなり、相乗り型タクシーの全国解禁の検討にも入った。エアビーアンドビーやタイムズ24などによるシェアビジネスの成功も、消費者による、より廉価で柔軟なモビリティ手段への渇望に端を発している。

 そしてモビリティ手段の革新は、移動や生活の利便性を高めるのみならず、土地の有効利用価値も上昇させる。出発地と目的地それぞれが、物理的距離は離れていても「実質的アクセス」が近くなるからだ。

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