ドツボにはまったと罵声
報告書は大統領による司法妨害の可能性があった言動として、10のケースについて捜査したことを挙げた。主な具体例としては、フリン大統領補佐官への捜査停止をコミー連邦捜査局(FBI)長官に求めた件、コミー長官の解任、モラー特別検察官解任の画策、捜査介入の試み、ロシア人弁護士との会談もみ消しーなどが含まれている。
この中で明らかになったのは、ロシア疑惑の捜査開始に取り乱すトランプ大統領の姿や、大統領が捜査にたびたび介入を図ろうとしていたことだ。特に注目を引くのは、特別検察官が任命された2017年5月のことだ。ロシア疑惑から身を引いていたセッションズ司法長官が大統領に特別検察官が任命されたことを伝えると、大統領は大きく動揺した。
「ひどいことになった。もう大統領としてお終いだ。ドツボにはまった」。大統領はこう言って錯乱状態となり、椅子に座り込んだ。さらにセッションズ長官に「お前のせいだ」などと罵声を浴びせた。大統領は「特別検察官が任命されれば、大統領は破滅してしまうと皆が言っている」「何年も何年も何もできなくなる。自分の身に降りかかったことで最悪の出来事だ」と落ち込んだ。
これに先立って、大統領はセッションズ司法長官がロシア疑惑の捜査から外れることを発表したことに激怒。同席していたバノン上級戦略官が見たことのないほど怒りまくり、セッションズ氏が軟弱すぎるとマクガーン法律顧問に大声で食ってかかった。