定年バックパッカー海外放浪記

2019年4月28日

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N氏の支払い能力

 清掃業者の代表によると工期は一週間、作業一式で150万円以上となる模様。悪臭を封じ込めるために特殊塗料で居室内全体をコーティングすることが必要という。

 N氏の申告年収が400万円なので実家の支援が必要かと推測した。N氏の懐事情では業者への支払いが増えれば、大家へ払う損害賠償の原資がそれだけ減ると咄嗟に算盤をはじいた。

 一刻も早く請求金額を決めて、N氏に通告しなければ手遅れとなる緊急事態だ。

損害賠償額の算定

 義父母と相談しても困惑するだけなので、家内と交渉方針を確認した:

  1. N氏が清掃作業後に退去する場合は、居住不能となった空室に対する損害賠償金として契約期間の残り23カ月分を一括払い条件で請求する。
  2. 安全・防火のための最低限の床板、天井の補修費用を請求する。

 以上の方針を義父母に了承してもらい、すぐさま工務店を呼んで補修見積を作成した。

賠償請求の受諾

 N氏は工事現場に寝泊まりしていた。その夜電話で今後の予定を聞くと案の定「月末までに退去します」と弱弱しく答えた。実はN氏の対人恐怖症と思われる気弱な性格から△△ハイムに住み続けるのは精神的に無理だろうと予想していたのだ。

 空室補償としての“残存契約期間の23カ月分の一括払い”と補修作業の見積金額を説明。「Nさんにとっては突然の大きな出費になるけど大家側の立場は理解できるよね」と尋ねたところ、間をおいて「実家とも相談してみます」とだけ答えた。

 数日後「23カ月分の家賃は実家から10日後に振り込みます。補修作業費用は分割払いで自分が毎月10万円銀行振込して年末までに全額お支払いします」と回答があった。

エピローグ

 23カ月分の家賃は期日に全額入金、さらに補修作業費用は約束よりも早く全額完済。その後のN氏の消息は知らない。N氏が△△ハイムの悪夢を忘れて新しい人生を歩んでいることを祈るばかりだ。

⇒第4回に続く

  
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