2022年7月6日(水)

Wedge REPORT

2019年5月6日

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ラミレス監督の「ストッパー役」

 昨オフ、ラミレス監督の「ストッパー役」とも言われていた光山英和前バッテリーコーチが退団。ラミレス監督は自らの就任以来、事実上の〝右腕〟としてチームを縁の下から支えてくれていた光山前コーチを「マイベストコーチ」と絶賛するほど全幅の信頼を置いていた。

 捕手陣だけでなく多くの主力選手たちからも慕われ、橋渡し役にもなっていた光山前コーチは指揮官に物怖じすることなく作戦面について助言を行うことまであり、かなりマルチな働きをこなしていた。その役割を大きく評価していたフロントも強く慰留したものの最終的に受け入れられず、光山前コーチは今季から東北楽天ゴールデンイーグルスに戦いの場を移した。

 対照的に今季から加わった新たなスタッフの中で注目されているのは、三浦大輔投手コーチと田代富雄打撃コーチだ。両コーチともに現役時代、それぞれエース、主砲として横浜を支えていた名選手だった。三浦コーチは球団内で早々と次期監督候補に挙げられており、今季の入閣は「ラミレス監督からバトンを引き継ぐため」ともささやかれている。

 田代コーチも過去に横浜だけでなく楽天、巨人で数多くの強打者たちを育成した名指導者だけに、大物OBである2人の古巣復帰は開幕前からベイファンの期待が高まるのも必然の流れだった。しかも2人のコーチはともに選手たちからの信頼度が高い。だからこそフロントも〝光山ショック〟を吹き飛ばせる存在として計算していたフシがあったようだ。前出のOBは次のようにも続ける。

 「だが、どうもベンチ内の歯車が噛み合っていない。ラミレス監督がメディアへの情報漏れに目を光らせ、各コーチ陣の一挙一動を〝監視〟しているという話も聞こえて来る。これではスタッフも萎縮してしまい、物を言い合える環境が出来にくくなってしまう。ラミレス監督がヘンな意地を張っているのか…。

 いずれにせよ、このまま独裁ムードに拍車がかかれば独断采配に歯止めが利かなくなってドツボにはまってしまう危険性は高い。こういう負けが込んでいる時こそ、せっかくそれぞれ投打の両部門で横浜を知っている三浦コーチと田代コーチがいるのだから、彼ら2人の意見もラミレス監督は率先して取り入れていくべきだろう。そうでないと風向きはなかなか変わらない」

 ちなみに横浜は1998年以来、リーグ優勝がない。これはセ・リーグで最長だ。一昨年に日本シリーズ出場を果たしたのは、あくまでもCS突破からの下克上だったことを認識しなければいけない。その点を踏まえ、フロントはもっと危機意識を強めるべきだろう。

 せっかくベイスターズは順調に右肩上がりで観客動員数を増やし、今や地域密着の人気球団として定着するようになったのだ。このままラミレス監督率いるベイスターズの低迷が続くようなら、現体制に目の覚めるような大ナタを振るってもいいと思う。昨オフ、ロクに大物獲得へと動かなかったのだから緊急補強で綻びの見られる戦力をカバーしたっていいはずだ。

 借金は膨らんでしまったとはいえ、まだ5月上旬。挽回する時間は十分に残されている。かつての「暗黒時代」の再来だけは関係者なら誰もが御免だろう。本拠地ハマスタへ足を運ぶベイファンの熱い声援を無駄にしてはいけない。
  
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