Wedge REPORT

2019年4月8日

»著者プロフィール

 Gの快進撃が止まった。巨人は6日、横浜DeNAベイスターズに敗れて今季初の連敗。開幕2試合目から6連勝を飾ってスタートダッシュに成功していたが、その勢いはやや小休止した格好だ。敵地・横浜スタジアムでの3連戦で今季初のカード負け越しも喫した。それでも、まだ貯金は「3」。少しも慌てるような展開ではないだろう。

 4番の岡本和真内野手が3試合連続無安打に封じ込められるなどやや気がかりな点も見られるものの、やはり巨大補強によって膨れ上がった戦力は他球団にとって脅威。多くの評論家や有識者たちが巨人を優勝候補筆頭に挙げているのもうなずける。

(mizoula/gettyimages)

 しかしながら初の連敗と初のカード負け越しとなったことで、チーム内の一部からは「そうとばかりも言い切れない」という不安の声が漏れ始めているのも事実。チームが上り調子でいる時はいいが、失速した際の建て直しが困難になるのではないかという懸念が指摘され出しているからだ。その背景にあるのが、指揮官を支える今季の一軍コーチ陣である。

 昨オフ、巨人は原辰徳監督の再就任に伴って一軍のコーチ陣もほぼ一新。コンディショニングコーチを除くと7人中で昨季からの留任となったのは、吉村禎章打撃総合コーチだけだ。その7人の面々のうち宮本和友投手総合コーチと元木大介内野守備兼打撃コーチ、鈴木尚広外野守備走塁コーチ、相川亮二バッテリーコーチはプロでの指導経験が過去まったくない。昨季まで韓国の斗山ベアーズで打撃コーチを務めていた後藤孝志打撃兼外野守備コーチも古巣・巨人での一軍スタッフ就任は今回が初めてだ。

 12球団で今季の一軍スタッフをざっと見渡しても、これだけの数のNPB一軍コーチ未経験者を揃えたチームは明らかに巨人が抜きん出ている。球団内で「言わば〝新人コーチ〟ばかりの一軍内閣は相当なレアケース」とささやかれるのも、あながち的外れではない。そして6人の新任コーチのうち水野雄仁投手コーチも巨人での一軍指導経験が過去にあるとはいえ、古巣の現職に復帰したのは実に18年ぶりのこと。かなりのブランクが空いている。

 フレッシュな面々が揃ったと言えば聞こえはいい。開幕2戦目からの6連勝でスタートダッシュを決めた現況のようにチーム全体がイケイケドンドンのムードに包まれていれば、新任コーチの面々にも〝膿〟は見えにくいだろう。だが問題は長いシーズン中に必ず来るであろう谷間の時期だ。チームにほころびや不協和音が一度生じた際、ほぼ新任で固められた巨人のスタッフにそれらの軌道修正は果たして図れるのだろうか。経験不足のメンバーばかりであるところには、どうしても不安が募る。

 実際にコーチ陣の真価が問われるのは、その時だ。勝っていれば選手たちは乗りまくっていて気持ちよくプレーしているが、負けが込んでくればイラつくことでなかなか聞く耳も持ちにくくなる。そういう丁々発止のピリピリとしたムードの中においても経験豊富なコーチングスタッフならばフォローしたり、的確な助言を送ったりすることが出来るものの、その数が圧倒的に少ない今の巨人一軍首脳陣は正直心許ない。

関連記事

新着記事

»もっと見る