大歓声に包まれた。18日に東京ドームで行われたシアトルマリナーズ対読売巨人軍の一戦。マリナーズのイチローは7年ぶりの母国凱旋試合で視線を釘付けにした。結果的には3打数無安打に倒れて米国でのオープン戦から21打数連続無安打となってしまったが、右翼守備では飛球をフェンス際まで追いながら片手で好捕したり、6回の第3打席で鋭い当たりのファウルを放ったりするなど随所でスーパースターの片鱗を見せていた。
ところが、そのレジェンドの発言が大きな波紋を呼び起こしている。試合後に白い歯をのぞかせながら「球遅いっしょ」とコメントしたからだ。ちなみに、このイチローの答えは「この開幕直前のタイミングで日本人投手と対戦するのは自身にとって、どういう影響があるのか」という質問に対してのもの。
しかし、多くのメディアはこういうトーンの質問がされていたことに関して触れておらず、かなりざっくりした形のまま「球遅いっしょ」のコメントだけが掲載される格好となっていた。読者に誤解を生じさせる一因となった感はやや否めない。
そしてこのコメントを発した時点では名指しこそしていないが、後に続いて出てくるイチローの発言から考察すれば「球遅いっしょ」は試合中の2回と4回に2度対戦した相手先発左腕・今村信貴投手について評した言葉と理解できる。
この発言がネット上でバッシングを浴びてしまった。ネット上では「打てていないクセになぜディスるのか」「その遅い球に翻弄されているのだから格好悪い」などといったイチローに対する罵詈雑言の書き込みが散見される。