2024年7月16日(火)

<短期連載>ペット業界の舞台裏

2011年12月30日

 資格取得のためには、動物の体の構造や薬の効能や副作用、薬事法規などを習得する必要があり、専門的な知識をつけることが出来ます。現行の法律では、獣医師資格での医薬品の店頭販売は認められていないためこの資格の取得によって、ペット向けのドラッグストアを併設した動物病院やショップの営業も可能になります。獣医師以外業界にはなかった公的な資格、そして医薬品の取り扱いが可能となったことは、これからのペット業界の新しいビジネスモデルとして大きな可能性を持っています。

 また、獣医師との医療連携も、資格に裏付けられた情報として伝えられるため、顧客に紹介する獣医師の信頼に繋げることが出来ます。

体毛による健康チェック

 ペット業界で働いていると、飼い主からサプリメントや食事の相談を良く受けます。私自身、何をアドバイスしたら良いのかわからないとのショップ側からの相談もよく受けます。一応アドバイスを行いますが、生き物を育てるのに正確なマニュアルはありません。商品説明を読んだり、自分の経験からアドバイスしていますが、本当にそれがその仔にとって最上のサービスなのか?――悩んでしまう瞬間です。

 最適なサービスをそれぞれのペットに対して行うためには、それぞれの性格や体質を理解して与えるのが最も効果的です。オーダーメイドの洋服をあつらえるように、健康面でもオーダーメイドのサービスを行う。これは飼育のプロ、アドバイザーとしてこれからのペット業界では必要なサービスとなってきます。

 飼い主も自分の仔の状態を定期的に知ることで、より良いケアを行ってあげられます。飼い主もペットも高齢になってきている現状、例えば適切なケアによって寝たきりにさせないことも可能です。未病段階でケアすることで、急に病状が悪化したなども聞かなくて済むようになります。また、必須栄養素の体内でのバランスや、アレルギーの原因を知ることで、手作り食をしている方やフード選びに迷っている方などにも応用できます。

 そこで注目したのが、「体毛による健康チェック」ができるシステムです(http://medipet.jp/)。

 寝たきりの患者さんや離島に住む人の健康診断に利用されていた装置を動物に応用したシステムです。チェック出来る項目は「基本健康度」・「アレルゲン」・「総合栄養度」など、普段の生活でケアを行ってあげるのに必要な情報をコース別にしてあります。装置には2500ものチェック項目が用意されており、生体現象をここまで読み取れるシステムはなかなかありませんので、非常に参考となる結果を得ることが出来ます。

 ペットの体毛を全身から均等に20本以上とり、QSRという量子共鳴分析器を使用して、各検査項目で-20から+20までの範囲で数値化します。「ストレスは+10」「椎間板ヘルニアは-5」「皮膚炎は+15」など、それぞれの結果を見て、症状が出ている時も、また未病の状態をも知ることが可能です。公的な検査技師の検査と獣医師によるコメントが付きますが、チェックの結果によっては専門の獣医師への誘導も行っています。


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