仮にファーウェイのような企業が本気になれば、系列企業を使い、自国内で似たような部品の生産を行うことも不可能ではないだろう。
難しいといわれるのがCPUを含めたコア半導体だ。それらについても、独自技術で製造することは不可能ではない。例えば、スマホ用半導体においては、オープンソース技術である「RISC−V」が注目されている。現在はハードディスクのコントローラーなどの低コスト半導体向けが中心だが、サーバー向けやスマホ向けの開発を、という声もある。欧米企業系の技術を使えないということになれば、オープンソース技術をコアに独自のものを作り、コア半導体でも依存度を減らす可能性もあるだろう。
ただし、その開発には時間が必要だ。同じオープンソースとはいえ、ASOPのようなソフトを改良するのとは、考え方も必要な技術も異なる。スマホに使うには、スマホが求める省電力性能などを実現する必要があるが、そうした部分の開拓はこれからだ。製造に関するハードルも高い。
いずれにしても、ほんとうにこのまま進めば、市場的にも技術の進歩的にも、世界が分断される可能性がある。
アメリカ企業も中国企業も、そして彼らとともにビジネスをしている日本企業にとっても、アメリカと中国の摩擦が高まることはリスクであり、頭を抱えているというのが本音なのだ。
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■米中制裁ドミノ ファーウェイ・ショックの先
Part 1 ファーウェイ制裁で供給網分断 米中対立はコア技術と資源争奪戦へ
Interview 日本企業は機密情報管理体制の構築を急げ
Column レアアースは本当に中国の切り札なのか?
Part 2 通信産業の根深い「米中依存」分断後の技術開発の行方
Part 3 ファーウェイ・ショックを日本は商機に変えられるか
Part 4 「海底ケーブル」と「元経済圏」中国の野望を砕く次なる米制裁
Part 5 激化する米中経済戦争 企業防衛の体制構築を
■米中制裁ドミノ ファーウェイ・ショックの先
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