海野素央の Love Trumps Hate

2019年7月30日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

トランプの「座右の銘」?

 以前、バラク・オバマ前米大統領はシリアのアサド政権が化学兵器を使用してレッドライン(超えてはならない一線)を超えたにもかかわらず、同国への軍事攻撃に踏み切りませんでした。その結果、「弱い指導者」とレッテルを貼られました。

 イラン攻撃を中止したトランプ大統領は、オバマ前大統領と同じ扱いを受けて「弱腰」と見られるのを回避するために、即座に最高指導者ハメネイ師に経済制裁を科し、「強い指導者」のイメージを維持しました。しかも、「イランよ、聞いているなら気をつけろ」と述べて、恐怖心を煽り、脅迫ともとれるメッセージも発信しました。いわゆる「ダメージ・コントロール」を行い、自分の「心の弱さ」を隠すことに成功しました。

 トランプ大統領は「本当のパワーは恐怖だ」と、まるで座右の銘のように語ります。「恐怖が人を動かす原動力である」と信じでいるフシがあります。恐怖とアイデンティティを活用したからこそ、支持率を2年半も安定させることができたのでしょう。

 いずれにしても、トランプ大統領の言動は心の弱さの裏返しと言えるかもしれません。

  
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