2024年11月24日(日)

From LA

2019年8月26日

ソーラーパネルを設置するメリットが減少しつつある

 こうした状況を打破するためか、マスク氏は8月に入り自身のツイッターで「1カ月50ドルでソーラーパネルをレンタルする」という新しいアイデアを発表した。6つの州が対象であり、カリフォルニアでは月65ドルになるものの、販売ではなくレンタルで「顧客はいつでもパネルを解約できる」としたところが新しい。ただし解約時のパネル撤収と屋根の原状回復費用として1500ドルが必要だ。

 ソーラーパネルがなかなか普及しない背景には、電力会社による頻繁なポリシー変更も存在する。当初は再生可能エネルギー普及を奨励し、ソーラーパネル設置家庭にはインセンティブも支給していた電力会社だが、その後ソーラーによって生み出された余剰電力の買い取り価格は下がり、ソーラーパネル設置家庭に対し「グリッド使用量」などの名目で費用負担を求めるところが多くなった。つまり一般の人々にとってソーラーパネルを設置するメリットが減少しつつある。

 そして度々報道される火災事故。これはテスラに限ったことではないが、住宅などでソーラーパネルが原因とされる火災事故報道があると、人々がパネル設置に消極的になることは否めない。

 今回の火災訴訟に関して、金融アナリストから「マスク氏は責任を取ってテスラCEOを辞任すべき」という厳しい声も上がっている。現に訴訟の報道が出た直後テスラ株は1%以上の値下がりを見せ、今後の裁判の行方次第ではソーラーパネルビジネスに大きな影響が出てきそうだ。

  
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