2024年11月22日(金)

From LA

2019年8月6日

 現在20人以上が立候補を表明し、混迷を極める米大統領選挙の民主党候補者選び。とりあえず9月の討論会に生き残るためには世論調査による支持、選挙資金が十分にあるか、などが基準となるのだが、8月初旬の時点で生き残りが確実視されているのはジョー・バイデン元副大統領、コリー・ブッカー上院議員、ピート・ブーテジェッジ市長(インディアナ州サウスベンド市)、カマラ・ハリス上院議員、エミー・クローブッチャー上院議員、ベト・オルーク元下院議員、エリザベス・ウォーレン上院議員、そしてバーニー・サンダース上院議員の8名だ。

 世論調査ではこの8名の中で支持トップはバイデン氏。2つの調査機関で30%以上の支持を集めており、2位がサンダース氏だが、ハーバード・ハリスの調査ではバイデン34%に対しサンダース17%、と2倍の差がついている。ただしバイデン29対サンダース23、と接戦を予想させる結果もある。

 ともあれ4年前のようなフィーバーが起こらず苦戦を強いられているサンダース氏ではあるが、心強い味方が登場した。米アイスクリームメーカー大手、ベン&ジェリー社の創業者、ベン・コーエン氏だ。

「バーニー・イズ・バック」アイス

 コーエン氏は「バーニー・イズ・バック」と銘打ち、サンダース氏の写真を印刷した同社のアイスクリーム1パイント(約500ml)を発売。ただし一般への販売は行われず、サンダース氏のウェブサイトやオンラインのみで購入が可能だという。

 サンダース氏の地元、バーモント州は畜産農家が多く、古くから乳製品で知られてきた。コーエン氏はバーモントでアイスクリーム会社を設立、全国的に有名なアイスクリーム・メーカーに育て上げた。そしてコーエン氏はもちろん地元上院議員であるサンダース氏の熱烈な支持者でもある。

 ベン&ジェリーがサンダース・アイスクリームを発売したのはこれが初めてではない。2016年の選挙中にはミントアイスを「バーニーズ・ヤーニング(おいしい)」という名前で販売。今回それが戻ってきたことで「バック」という名前になった。

 コーエン氏は自身のツイッターで「これはバーニー味の最初の一つであり、今回はすべてのフレーバーを出す。そしてバーニーがホワイトハウスに着任した際には、私はアイスクリーム省長官となる」と語り、「メディケア(医療)・フォー・エブリワン」というサンダース氏のスローガンをもじって「パイント(500mlボックス)・イン・エブリ・フリーザー」とジョークを飛ばした。

 バーニーズ・フレーバーの最初のひとつとなる今回のアイスは、ホット・シナモン味。「まるで原子の火の玉のようなホットなテイスト」によってバーニーの批判力、他とは一味違う切れ味良い主張を表現。さらに表面には薄いチョコレートの板が乗せられているが、これは「1%が米国の富の半分以上を所有」する現状の表れ。そして容器の中心にはバタークランチの柱が建てられているが、これはバーニーの「決して折れない民主主義への志」を示している、という。

 サンダース陣営ではこのアイスクリームを歓迎し、ウェブサイト上でこのアイスクリームが当たる抽選を実施。これからの暑い夏の選挙戦を盛り上げるアイテムになりそうだ。


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