Wedge REPORT

2019年8月29日

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日本独自のルールづくり目指す

 グローバルGAPの取得には2農家のほか、もう1軒手を挙げた農場があった。そこは牛が畜舎内を歩き回れるフリーストールではなく、牛をつないだ状態だった。グローバルGAPでは、アニマルウェルフェア(動物福祉)の観点から、つなぐ場合は一日の上限の時間が決まっており、この農場では取得をあきらめた。

 ただし、グローバルGAPはルールを変えることもできる。それぞれの国ごとにNTWG(国別技術作業部会、National Technical Working Group)を作り、そこで国の通例や法律、研究情報といった根拠を示し、手続きを踏めば、独自のルールを作ることが可能だ。

 「各国の法律を順守することが第一なので、『グローバルGAPではこうなっているけれども、日本ではこう解釈する』というふうに独自のルールを作れる。実際、Canada GAP(カナダGAP)ではグローバルGAPで禁止されている一部のホルモン剤の使用が認められていたりと、特例がある。日本もそうしないと、ルールで日本に合っていないものが何点もある」

 今後、NTWGを立ち上げるために集荷団体や研究機関と連携することも視野に入れている。

 「GAPは、産業として農業が持続可能で正しくあるためにするもの。いかにすべての農家がGAP認証を取得するか、あるいはGAPを意識して取り組むかことができるかが、本質的に重要なこと」

 必ずしもGAP認証を取らなくてもよいけれども、全ての農家がGAPの目指すものを知り、実践すべきだ。小椋さんと別海町の酪農家の有志は、酪農業界に「良い農業の実践」を広めるため活動を続けると誓う。

  
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