ボルトンは外交政策上の「クギ」
トランプ大統領はボルトン氏を「解任した」と主張していますが、同氏は「辞任した」と反論しています。常に「強いリーダー」を意識している同大統領は、部下から辞任を突き付けられた「弱いリーダー」として有権者、殊に熱狂的な支持者から見られたくないのでしょう。
さてボルトン氏は、外交政策上の「クギ」の役割を果たしてきました。トランプ大統領にブレーキをかける「制御装置」であったといえるかもしれません。
クギを刺す助言者がいなくなり、今後トランプ大統領は「トランプらしく」振舞うことができます。例えば、北朝鮮に対して、「ディール最優先」の方向へ舵を切ることができます。ただトランプ大統領のディールの中には、日本に脅威となっている短距離ミサイルは含まれていないでしょう。トランプ大統領と金委員長の間で何らかのディールが成立しても、日本には課題が残る可能性が高いということです。
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