支持率が急落していることが大きく関係
ここまで文政権が躍起になる理由はここ最近、国内での支持率が急落していることも大きく関係している。日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄決定で米国を激怒させ、融和姿勢を貫いていたはずの北朝鮮からもそれをあざ笑うかのようにミサイル発射などで挑発されっ放し。
文大統領自ら任命した曺国(チョ・グク)法相も親族の疑惑を巡り、メスを入れるつもりだった検察側から捜査を着々と進められ〝猛反撃〟を食らって政権全体が窮地に立たされている。
そこで苦肉の策として韓国政府側が導き出したのが、東京五輪出場権がかかっている上に日本とも対戦の可能性がある今秋のプレミア12。文大統領には、ここのところ下火になっている反日政策を野球韓国代表の快進撃によって何とか煽ることで、自らのマイナス材料の目くらましにしたいという魂胆も見え隠れする。
4年前の前回大会準決勝・日本戦で韓国代表は3点を追う9回に土壇場で4点を入れて引っ繰り返し、世紀の大逆転勝利を飾った。敵地の東京ドームで侍ジャパンにこれ以上ない恥辱を与えて白星をつかんだことが韓国国内で前回大会の優勝以上に大きく盛り上がった過去の事実も文政権としては当然把握しており、この「夢よもう一度」という目論見につながっているようである。
ただ、プレミア12で韓国代表がどれだけ健闘しようとも、さすがに代表メンバーが兵役免除の恩恵に授かれる現実性は薄いとみられる。基本的に兵役免除が認められる韓国代表のアスリートは五輪でのメダル獲得、もしくはアジア大会での金メダルのみ。もちろん特例もいくつかあるが、国内では「次のプレミア12に関しては用いられないのではないか」と見る向きも少なくない。