Wedge REPORT

2019年11月12日

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なぜ地方都市が狙い目なのか?

 そんな西田社長が、新しい市場として狙っているのが、「人口10万人程度の小規模の町」だ。一見、そんな場所に需要はあるの? と思ってしまうが、そういった場所にこそ死蔵された物件が眠っていて、リフォームして物件の価値を高めれば、需要もあるのだという。

 しかも「3億円の物件を買って販売するよりも、1000万円の物件を30個買って販売したほうがリスクは抑えられます」(西田社長)。また、都市部の不動産所有者は「少しでも高く売りたい」という意欲が高いが、地方だと「とりあえず売れればいい」という、感覚の違いもあるため、価格交渉においても比較的進めやすいという特徴がある。

 500万円程度で購入して1000万円で販売すれば、原価を差し引いて2割程度の利益率になるという。購入者にとっても購入しやすい価格帯で販売することができる。

 「そもそも、中古物件というのは、安心して住むことができる物件です。何年もそこで人が済み続けたわけですから。新築の場合、住んでみないとどうなるか分かりません。地方には眠ったままの物件が少なくなく、実際、空き家を買い取って販売した実績もあります。リフォームして物件を今のニーズに合わせれば、中古物件の流動性は高まります」(西田社長)

 中古不動産事業では、現状30億円の売り上げを100億円まで増やしたいという意欲を見せる西田社長だが、先行きに不安もある。人材難である。

 日本全国で20歳以下の大工が2000人を割っているという。個人事業主である大工は、若い頃は親方の下について仕事をもらい、このときは日当1~1.5万円程度だが、親方になれば収入が大幅にアップする。そうしたステップアップのペースも新規参入の若手が減っているため、遅くなっている。リフォームを行うにしても、大工のような職人がいなくなっては成り立たない。こうした背景もあって、地方のリフォーム業者の廃業も増えている。今後、中古市場を活性化していくにはリフォーム業者は不可欠だが、それも危うい状況にあるのが実態だ。

  
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