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From LA

2019年12月17日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

新たな職業が生まれる可能性も

 別の専門家は、投資業務から近い将来消える職業として「セールス」「トレーダー」「パフォーマンス・アナリスト」を挙げた。セールスはネット上でチャットボットが対応、トレーダー、アナリストはデータ分析で対応できるためだ。

 ただしこれはネガティブな話ばかりではない。従来の職業は存続しなくなるかもしれないが、その分、新たな職業が生まれる可能性がある。一番の例が、データ分析などを行うデータ・サイエンティストだ。データ・サイエンティストは米国では現在最も需要の高い職業と言われており、大学での学部増設など、対応が求められている。金融に限らず、「データが社会の新しいインフラ」とまで言われる現在、データを扱う専門家への需要はますます高まる。

 この他コーディング、サイバーセキュリティ、データ・ストレージと管理、Quantative Reasoning(定性推理)など、今後必要とされる周辺の職業は増える。つまりパイそのものは大きく変化しないが、その構成要素には変化が訪れるため、業界としてもそれに備えた業務体系の見直し、トレーニング計画などを進める必要がある。

 構図としては業務の中心にAIがいて、人間がそのスムーズな運用をサポートする立場になりそうだ。ただし従来の単純業務の多くが淘汰されるため、そうした職業の人々が生計を立てていくための新たな環境づくり、教育環境の改善などは今後政府が主導して推進していく必要があるだろう。

  
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