WEDGE REPORT

2019年12月19日

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誰が検察官を務めるのか

 今後の上院での弾劾裁判に向けてのもう1つの焦点は民主党の誰が検察官役を務めるのかだ。多くの民主党下院議員にとって、弾劾裁判での検察官役はめったに回ってこない歴史的役割であり、ぜひ担いたい任務だ。検察官として、上院に入場してくる姿はテレビで全米に生中継されると見られており、来年の再選に大きく有利に働くのは間違いないからだ。

 検察官の人選はペロシ下院議長に一任されているが、同議長は誰を任命するのか一切明らかにしていない。1998年の前回のクリントン大統領に対する弾劾裁判で訴追側だった共和党は、当時の司法委員会から13人の「白人議員」を選び、上院に送り込んだ。

 しかし、今回は白人だけではなく、黒人ら少数派からも選ばれる多様性が重視されると見られている。候補として取り沙汰されているのは、弾劾条項の司法委員会を率いたナドラー委員長やウクライナ疑惑の情報委員会公聴会で手腕を発揮したシフ同委員長らだが、いずれにせよ両委員会を中心に選抜される見通しだ。

 民主党はロシア疑惑で弾劾に持ち込もうとしたが果たせず、今回のウクライナ疑惑で遂に弾劾訴追に持ち込んだ。だが、弾劾裁判は上院で敗訴し、大統領を罷免できないことがほぼ確定的な“負け戦”だ。それだけに、来年の大統領選、議会選挙への跳ね返りを恐れる議員も多い。今後トランプ大統領からの報復攻撃が激化するのは確実で、心中は戦々恐々というところなのかもしれない。

  
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