完ぺきな試合によって韓国中の留飲を下げた
それだけではない。実はE―1選手権で対戦したライバル国・韓国からも森保ジャパンは笑われている。韓国代表は2022年カタールW杯アジア2次予選で直近2試合の北朝鮮戦、レバノン戦と2試合連続スコアレスドローに終わる体たらくを見せ、グループ2位に甘んじていることでチームを率いるベント監督の解任論が持ち上がりかけていた。だが、このE―1選手権で宿敵・日本を徹底研究した末に機能不全へと陥れて下し、3連覇を飾ったことで韓国メディアはベント監督の評価を手のひら返しで一変。当日の日韓戦を取材した現地・韓国メディアの記者は次のように言い切っている。
「完ぺきな試合によって韓国中の留飲を下げた。この日のようなゲームメイクができれば、ベントが韓国代表に敷く戦術の未来は明るい。一方の日本は今後も森保監督が指揮を取り続けてくれれば、韓国にとって大きなアドバンテージとなる。無策のように映った韓日戦での日本のベンチワークは、次の試合でも韓国代表を大きく助けることになるだろう。ぜひ森保監督には日本代表の指揮官を今後も続けてほしい。韓国代表も安心して試合に臨める」
奇しくもE―1選手権の韓国戦といえば、2年前にも1―4で日本代表は大敗を喫し、チームを率いていたヴァヒド・ハリルホジッチ氏の監督解任論に火が付くきっかけとなっている。そしてその約4カ月後、チームの不協和音は深刻化し同氏は指揮官を解任された。森保ジャパンはハリル体制の時のように指揮官に対し、選手から目立った不満が飛び出しているわけでない。だが、今のままではA代表、U―22代表ともに森保体制では大幅なビルドアップが望めないと考える。試合内容や結果もさることながら人気面、そして最大のライバル国・韓国から嘲笑されている現状は決して看過できるようなものではないだろう。
日本サッカー協会・田嶋幸三会長は本当にこれでいいと思っているのだろうか。何度も繰り返すが、とても心配だ。
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