Wedge REPORT

2020年1月20日

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柔道金メダル候補も亡命

 アリザデだけではない。イランは近年、スポーツ界からの亡命者が相次いでいる。柔道男子81キロ級の強豪サイード・モラエイもその1人だ。昨年8、9月に東京・日本武道館で行われた柔道世界選手権の同級にイラン代表で出場。同国と敵対するイスラエル代表選手との対戦を避けるために棄権を強要され「辞退しなければ家族を殺す」と脅迫を受けたが、その指示を無視して出場を続けたため、身の危険を覚えてドイツへ脱出し難民認定を得た。そして念願が叶い、昨年12月にはモンゴル国籍を取得。今夏の東京五輪へはモンゴル代表として出場を目指している。

 前出の事情通は、こうも続ける。

 「モラエイは一昨年の柔道男子81キロ級・世界選手権覇者。彼もまたアリアナと同じく東京五輪での金メダル候補だ。イランにとっては厄介な亡命アスリートが東京五輪に2人も出場することになれば、悩みの種はますます深くなる」

 イランがスポーツ分野においても反政府の波にさいなまれていることは確かなようだ。しかしながら、さすがにイランが東京五輪への参加辞退という愚策を選択することはないだろうと信じている。とにかくスポーツの世界に政治を介入させる権力者たちの横暴は許されないし、もう見たくない。東京五輪が「平和の祭典」として大きく盛り上がることを切に願う。

  
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