スペースXがオンラインで「宇宙へ」の予約受け付けを開始した。ただし人が乗る宇宙旅行ではなく、最大200キロの物資を打ち上げるためのスペース確保が目的だ。いわば宇宙空間のライドシェアで、自力で衛星を打ち上げる資本力のない企業などが、スペースXのファルコン9を使って打ち上げを行うことを可能にする、というものだ。
スペースXのホームページ(https://www.spacex.com/)にはこの予約サイトが設置されており、軌道の選択、打ち上げ日時(2020年6月以降)、打ち上げ物資の重量を入力するようになっている。
選べる軌道はSSO(常に太陽の方向にソーラーパネルが向き、充電できる軌道)、LEO(上空2000キロ程度の低軌道)、POLAR(北極あるいは南極上空の軌道)の三種類で、SSOに関しては4カ月に1度程度の打ち上げが予定されている。
これらの情報を入力すると、打ち上げ費用がいくらになるかの見積もりが提示される。最も安価なSSO軌道で重量200キロ以下だと大体100万ドルになる、という。
スペースXがこのスモールサット・ライドシェア(小型衛星のライドシェア)計画を打ち出したのは昨年8月で、当初は最低でも250万ドルになる予定だったから、大幅な値下げとも言える。様々な理由で衛星を打ち上げたい企業にとっては朗報と言えるだろう。
さらにスペースXでは追加サービスとして保険、宇宙空間での燃料補給なども提供する。こちらの詳しい費用については明らかにされていないが、宇宙空間ビジネスをトータルに提供できる企業としてクローズアップされることになる。
スペースXに関しては、同社が展開している小型衛星によるインターネットビジネスを独立子会社にして上場させる、という動きもある。同社の宇宙衛星によるインターネットサービスは「スターリンク」と名付けられているが、この事業を展開するのは子会社であるスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズで、すでに240基もの小型衛星を打ち上げ済みで、今年夏にもインターネットサービスを開始する予定だ。