赤坂英一の野球丸

2020年2月12日

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巨人の小柄な投手

 一方、宮崎市でキャンプを行っている巨人は、他球団に先駆けて4日目に紅白戦を開催。元木大介ヘッドコーチ率いる一軍半の白組に、新任の阿部慎之助二軍監督が束ねるファームの紅組が立ち向かった。

 7-1で阿部監督の紅組が大勝した結果はさておいて、こちらでは紅組の3番手で登板した投手、育成選手の山川和大(ともひろ・25歳)の好投が光った。

 今季先発ローテ入りが期待される白組の畠世周(25歳・4年目)が4安打3失点、髙田萌生(21歳・4年目)が2安打1失点と精彩を欠いた中、山川は白組の打者を三者凡退。身長166㎝と両チームで一番小柄な選手が、テンポのいい投球で一軍の吉川尚輝を空振り三振、重信慎之介を二ゴロに打ち取った。

 走者がいなくてもセットで投げたり、左足の上げ方を大きくしたり小さくしたり、小柄なりに工夫を凝らしたフォームが奏功した。試合後には「きょうが勝負、きょうに賭けていたから、結果が出てよかったです」とホッとした表情を見せている。

 この山川、実は昨季終了後、いったん自由契約にされている。2016年育成ドラフト3位で関西独立リーグ・兵庫から入団するも最初の2年間は二軍で登板がなく、3年目も支配下契約に至らず。育成選手の契約は3年までという規約によって、いったんクビになったのだ。

 が、潜在能力を見込んだ球団が新たに1年契約を結び直し、年が明けて迎えたキャンプ初の紅白戦。「きょうに賭けていた」という山川のコメントは、紛れもない本音だろう。昨年限りで引退した先輩・森福允彦は、そんな山川の素質とセンスを高く評価していたと聞く。いずれはああいう小気味のいい投球で勝負するセットアッパーになってほしい。

 巨人と広島がこのキャンプでどれだけ無名の投手を一軍の戦力にできるか、今季の命運はそこにかかっている。

  
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