東京五輪にも余波
延期論が強まり、開催可否について今後1カ月程度で判断される見込みとなった東京五輪にも余波が広がるとの指摘もある。実際、JOC(日本オリンピック委員会)の内部からは「K-1の強行開催は世界中のメディアでも報じられ、驚くべき早さで各国からひんしゅくを買っている。これによって完全に日本は『ウイルスに対して警戒心が低過ぎる』というレッテルを張られ、延期論どころか、中止論にも拍車をかけてしまうことになりかねない」という恨み節も聞こえてきているほどだ。
ちなみにK-1は資金繰りで苦しい運営を強いられている側面があり、今大会がキャンセルになれば経営的にもかなりのピンチに追い込まれるとのウワサも格闘技界で飛び交っていた。そうかと言ってK-1側の肩を持つつもりなど毛頭ないが、強行開催は批判覚悟で背に腹は代えられなかったのかもしれない。
プロレス界でも台所事情の厳しい弱小団体が同じく強行開催をほのめかし、エンタメ界ではメジャーの宝塚歌劇団が同じく22日から公演を再開させたという事実もある。こうした背景を鑑みれば、やはり大型イベントの開催について「慎重な対応が求められる」という抽象的な言い回しで判断を主催者任せにしている日本政府の曖昧な姿勢も責められるべきだろう。
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