2022年11月26日(土)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年4月13日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

エスタブリッシュメントの犠牲者

 自身のツイッターにおいても、トランプ大統領は「揺さぶり」と「切り崩し」の戦略をとっています。「AOCプラス3(スリー)がまだバイデンを支持していない」と投稿しました。AOCはサンダース上院議員の弟子であるヒスパニック系のアレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(東部ニューヨーク州)のそれぞれの頭文字をとったものです。

 一方、3はパレスチナ系のラシダ・タリーブ下院議員(中西部ミシガン州)、ソマリア系のイルハン・オマル下院議員(中西部ミネソタ州)及びアフリカ系のアヤンナ・プレスリー下院議員(東部マサチューセッツ州)です。

 AOCプラス3は、非白人の民主党若手女性議員で、サンダース上院議員と同じ急進左派です。トランプ大統領はAOCプラス3を持ち出して、「彼女たちはバイデン支持者ではない」というメッセージを発信して、ここでもサンダース支持者に揺さぶりをかけました。

 加えて、「(サンダースは)エリザベス・ウォーレン(上院議員)が早く撤退をしていれば、(予備選が集中した3月3日の)スーパーチューズデーのほとんどの州で勝利を収めていただろう」と、自身のツイッターでつぶやき、サンダース支持者に同情を示しました。

 サンダース撤退に関して、「民主党全国委員会(DNC)が望んでいた終わり方だ」とも投稿しました。つまり、民主党指導部の策略によって、サンダース上院議員はバイデン氏に敗れたのであって、「エスタブリッスメントの犠牲者である」という「隠されたメッセージ」を発したのです。その狙いは、4年前と同様、サンダース支持者の批判の目を民主党指導部に向けさせ、党内の分裂を深化させて、トランプ陣営に有利に働くように導くことです。

 いづれにしても、トランプ大統領とバイデン副大統領によるサンダース支持者の争奪戦が幕を開けました。

  
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