2024年4月26日(金)

使えない上司・使えない部下

2020年4月19日

まじめに、愚直に、仕事に、ひたむきに
取り組む人が上手くいく

江頭一郎さん

 江頭一郎商店は私や妻、息子を中心とした家族経営です。創業以降の5年間は当初の1∼2年はともかく、その後は売上が増えてきました。いったんは廃業した店を受け継いだ形なので、以前のお客さんが少しずつ戻ってきてくださる場合もあります。

 以前、息子に「(父親である自分が万が一、事故などで)いなくなったら、どうするんだ?」と聞いたら、「他に働くところを見つける」なんて言っていました。自分が生きていく道は自分で探します、と言いたかったのでしょうね。私も叔父である江頭一郎さんがお元気の頃に、「商店経営の後を継いでもらえないか」と声をかけられたのですが、即答はできませんでした。息子が、私の質問にあのように答えるのは仕方がないかもしれませんね。

 息子が、私のことを店の外で、たとえば、お客さんや取引業者の前で「父」と言っているうちは、一人前とは言えないと私は思っています。息子であろうと、従業員なのだから、「社長」と言えないといけない。私のほうから、「社長と言いなさい」とは言っていません。本人が、自ら気がつかないとダメ!私が言うと、「父親が小言を言っている」としか思わないものなのです。父子であろうと、お客さんなどの目を常に意識してほしい。うちのような小さな店の親子経営の大変さも、実はあります。大きな会社の親子経営ならば、ほかの社員たちの目があるから、「社長」と父を呼ばざるを得ないでしょう。

 息子には商店の後を継ぎ、伝統を守ってほしいと願っていますから、時には厳しく言うこともあります。何度も叱ることがありました。小言も言います。本人は、おもしろくないのかもしれませんね。まだ、仕事は一人前ではないですが、性格は穏やかでまじめで、実直でコツコツと粘り強い。不満であろうと辛抱ができるタイプですから、いずれは伸びていくと思っています。私に叱られた後も、ひきずることをしない。仕事に取り組む姿勢は、いいのです。この仕事には、性格が合っているのかもしれませんね。

 今後も自分を信じ、コツコツと仕事をしていってほしい。私は、まじめに愚直に仕事にひたむきに取り組む人が「使える」のだと思います。そして、最終的には上手くいくと考えているのです。

江頭一郎商店

  
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