2022年7月2日(土)

Wedge REPORT

2020年4月25日

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「不幸と思えば、不幸な人生になる」

田中真弓さん

 苦しくて仕方がなかった時期に、(前述の)相談員を始め、様ざまな人から助言をいただいた時に、「私にはできません」なんておこがましくて言えませんでした。ありがたかったから、まずは「試みてみます。ありがとうございます」と答えていました。拒否してしまったら、そこから抜け出すことはできないと思うのです。

 働きながら産業カウンセラーの資格を取った後、2018年にカウンセラー協会の雑誌の誌面に、日本シングルマザー支援協会代表理事の江成さんが登場されたのです。シングルマザーのマインドについて語ったインタビューを読み、ガッツのある生き方にとても共感しました。さっそく、協会の会員に登録し、ひとり親コンシェルジュ制度が始まった時に、コンシェルジュ育成の講座に申し込みました。少し元気なシングルマザーが、元気になりきれていないシングルマザーの手を引こうという趣旨の制度で、そのコンシェルジュを育成する講座です。

 その後、ご縁があってこの日本シングルマザー支援協会で働くようになりました。

 代表の江成たちの助言を受けて、この4月に私は夫が死亡し、シングルマザーとなった女性が参加するランチ会を横浜市内で行うことにしました。死別しても、元気で前向きなシングルマザーになれるように支え合えるきっかけの場になればと思っています。シングルマザー全体の中で死別は8%程ですから、同じ境遇の人になかなか会えないのです。

 私は、(前述の)相談員の女性に偶然にもお会いすることができました。あのような機会を作りたいと思っているのです。コロナウィルスの感染拡大の影響もあり、参加者5人が自宅からオンラインで参加する形にしました。このくらいの人数ならば、じっくりとお話をお聞きすることができると思っているのです。

 ふだんから、江成からよく教わります。「不幸と思えば、不幸な人生になる」と。私は、この言葉を素直に受け止めています。その通りだと思います。過去を振り返り、あの苦しみからとにかく抜け出したかったのです。どうにかして、変えたかったのです。あまりにも苦しかったから…。それで、江成たちの助言に従うようにしてきました。私は、この協会で働くようになり、大きく変わりました。感謝の思いで一杯です。

 私と同じような立場の方は、どなたでも苦しみから抜け出すことができると思います。私は、そのように信じています。それを感じ取っていただけけるランチ会にしたいですね。今後も、ぜひ継続していきたいと思っています。

 離別、死別を問わず、私たちがいちばん辛いときに行くのが、役所です。どうしていいのか、わからず行くところであり、本当に傷ついた時に行く場でもあるのです。対面する職員の中にきちんとした方もいますが、そうではないようにも思います。だからこそ、協会としても様ざまな関わりをして、サポートをしていきたいのです。

 読者へのメッセージ? 夫と私は約束を果たすことができないまま、別れました。たとえば、夫は子どもが大きくなったらアメリカのロサンゼルスに連れて行きたいと話していたのですが…。私の父が、2019年に食道がんで亡くなりました。医師から余命6カ月と宣告されていたのです。

 それ以降、協会副代表の山木の助言もあり、父の残された時間と向かい合うようにしました。父が「あそこに行きたい」と言えば、母や私の兄妹たちと協力し、すぐに行くようにしました。夫との約束が果たせなかったから、父との間に後悔がないようにしたかったのです。余命宣告から、10カ月生き抜くことができました。協会の支援もありがたかったですね。

 生きることの意味に向かい合わせてくれた夫にも感謝しています。私はこのくらいの衝撃がないと、変われない人生だったのだと思います…。苦しかった時期から出会った人には、本当に恵まれました。感謝しています。ありがとうございました。限りある人生を後悔のないようにしたいです。

日本シングルマザー支援協会

田中真弓ブログ

  
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