「新疆ウイグル自治区の当局は、東トルキスタンの全域で『ラビア・カーディル糾弾キャンペーン』を行なうため、各地に10人ずつの担当者を任命したそうです。地方メディアとウェブサイトに、私を悪者だとする情報を流すのです。この10人ずつの担当者はすべてウイグル人。『ウイグル人がラビア・カーディルを非難している』と見せるためです。獄中の私の息子をテレビに出すのと同じやり方ですよ」
この日、通訳を務めてくれた世界ウイグル会議の副総裁ウメル・カナット氏が言葉を足した。「中国当局がこの種のキャンペーンをやればやるほど、かえってウイグル人の気持ちを強くします。中国側のプロパガンダを信じ込む者など一人もいませんから」
それにしても、監視や弾圧がますます強まる中で、どうやって国内にいるウイグル人との連帯を保っていくのか? ラビア総裁は言う。
「それは容易ではありません。中国側はあらゆるコンタクトを遮断してきますからね。私自身、親族とコンタクトすることも容易でない。しかし、世界ウイグル会議は、東トルキスタン国内の情報を得、それを国際社会に発信するよう努めます。内外のウイグル人を励まし、連帯を促すために、つねに別チャネルをもつことは重要です」
非暴力の闘いを続けるうえで、情報こそが武器である。幸い現代はあらゆる情報ツールが発達し、当局がどれほど妨害しようが、情報は内外のウイグル人にまたたく間に共有される。しかし、この「情報化時代」には厄介な面もある。相手を追い込むはずが、自らが翻弄されてしまうこともあるからだ。 (後篇に続く)
(写真撮影:WEDGE Infinity編集部)
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