使えない上司・使えない部下

2020年6月27日

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これからは、ゆるやかな憶測が必要

 コロナウィルスの感染拡大が深刻になってからは、弊社にもウェブを通じた営業が増えてきました。たとえば、「ホームページを拝見し、アクセスを増やすためのSEO対策を提案させていただきたい」といったものです。Zoomなどを通じてのオンラインによるものとなります。この約2か月で大企業からベンチャー企業まで5社程です。

 確かにこちらからすると、対面営業に比べて心理的な抵抗は少ないのです。先方も交通費や移動時間などのコスト削減ができて、双方にメリットはあるのだろうと思います。賢い会社は、これを機にオンライン営業を増やすでしょうね。人事や労務、マネジメントなどのあり方も変わっていくはずです。

 コミュニケーションスキルは、より一層に大切になると思います。営業を受けた5人の担当者のスキルには、ある程度の差がありました。ある方の場合は私の問いに対して、結論から答えようとしない。おそらく、対面営業においても十分にはできていないのではないかと思いました。リアルな場でできない仕事は、オンラインになってもできないものです。

 その意味で今後は、仕事がデキル人とそうでない人の溝が深まるようになると私はみています。そのあたりを上司は気をつける必要があります。部下の本音を的確に探り出す力が、これまで以上に求められるのです。

 たとえば、ある仕事を依頼したとします。部下が「はい、わかりました」と答えたとしても、鵜呑みにすることなく、どこまで理解ができているのかを確認したほうがよいと思います。そのような場合は、ゆるやかな憶測が必要になります。上司は「(部下に)このくらいに説明をすると、わかってくれるだろう」と思い、仕事を依頼します。その期待に応えることができない部下はいますから、さらに踏み込んで「ここまで説明をしておこう」とより詳しく説明をするのです。

 一方で、部下は「上司の指示はこの範囲のことを言っているのだろうな。ここまでは求められていないかもしれないが、枠を広げてしておこう」と先回りをすると、上司には好印象になると思います。

 ゆるやかな憶測ができない人もいます。私が会社員の頃も、経営者になってからもいました。たとえば、単純作業しかできない人もいるのです。このような場合は、憶測を求めるべきではなく、単純作業を頼めばよいのだと思います。マネジメントにおいてのベストミックスが求められているのです。これが、ダイバーシティマネジメントにつながっていきます。

 オンラインに限らず、ビジネスをするうえでの新たなインフラが整備され始めた時、その変化に気づき、素早く乗っていく人は私がこの30数年見ていると、総じて活躍する傾向があるように思います。私は自分で実際に使い、便利だなと感じ、害がないならば使ってみるようにしています。

 20代の頃(1980年代後半)、大手の証券会社に勤務していました。ある日、上司(50代、次長)から「(顧客に資料を)ファクスで送ってほしい」と頼まれました。先方に送り、その資料を上司に渡したところ、「おい、送っていないだろう?」と尋ねてくるのです。先方のファクスの本体に紙(資料)が届く、つまり、マティリアルの移動があると思っていたようでした。

 確かに、ファクスの送受信のメカニズムがわからないと、不思議に感じるでしょうね。上司は、当時の証券業界の営業スタイルで稼ぐ方でした。人間関係を生かし、株式や債券などを売る、いわばエモーショナルな方法です。しかし、当時からしだいに始まった科学的な手法の営業にはついていけないようでした。余談ですが、この上司はボクシングの経験があり、空手部出身の学生の腹部を時々、殴っていましたね…。

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